昨年妻に腫瘍が見つかったことを告白したエド・シーラン(画像は『Ed Sheeran HQ 2023年3月1日付Instagram「Subtract will be released on 5th May 2023.」』のスクリーンショット) 英歌手エド・シーラン(32)が新作アルバムのリリースを発表し、その内容は自身が直面した苦悩から影響されたものだと明かした。エドは昨年、妊娠中だった妻に腫瘍が見つかり、出産後まで治療ができないと告げられたという。さらに同時期には親友が突然死し、著作権についての法的争いが起こるなど、困難な時期が続いてしまった。こういった経験により、エドは恐怖と憂鬱、不安のスパイラルに陥ったという。
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エド・シーランが現地時間1日、最新アルバム『-(サブトラクト)』を今年5月5日にリリースすると発表した。エドはこれまでに『+(プラス)』、『×(マルティプライ)』、『÷(ディバイド)』、『=(イコールズ)』と数学記号をタイトルにしたアルバム4作をリリースしてきた。
記号シリーズのラストとなる最新作は、米ロックバンド「ザ・ナショナル」のメンバーで、テイラー・スウィフトのアルバム『フォークロア』『エヴァーモア』などを担当したアーロン・デスナーのプロデュースによるものだ。
そんなエドが自身のInstagramで、新作アルバムの制作中に直面したプライベートや苦悩について赤裸々に綴った内容を公開したのだ。
エドは10年前から同作の制作に取り組み、完璧なアコースティック・アルバムを作るため、何百曲もの楽曲を書いて録音してきたという。
しかし2022年に入ってから、突然エドの周囲で不幸な出来事が立て続けに起こったのだ。
最初は、同年5月に生まれた娘ジュピターちゃんを妊娠中だった妻チェリー・シーボーンさん(30)が、医師から腫瘍があると告げられ、「出産するまでは治療できない」と言われたことだった。
さらに同時期だった2月には、エドが兄弟のように慕っていた親友ジャマル・エドワーズさんが31歳の若さで突然この世を去った。ジャマルさんは、エドが音楽のキャリアをスタートした音楽プラットフォーム「SBTV」を設立した音楽起業家だった。
そして翌3月には、2人のソングライターから、エドの2017年のヒット曲『シェイプ・オブ・ユー』が彼らの楽曲『Oh Why』の著作権を侵害していると主張され、法的争いとなった。裁判の結果エド側が勝利したものの、こういった出来事が続いたことが、エドにとって大きな負担となったという。
エドは当時を振り返り「僕は恐怖、憂鬱、不安のスパイラルに陥っていた。溺れているような気分だった。水面から顔を出し、上を見上げ空気を吸おうとしても、突き抜けることができないんだ」と綴った。
そして「一連の出来事が、僕の人生やメンタルヘルス、そして音楽と芸術の捉え方に変化を与えた」と述べた。
辛い経験から多大な影響を受けたエドは、およそ10年かけて制作していたオリジナルの楽曲を破棄し、新たな作品に書き換えたことを明かした。
「楽曲を書くことは、僕のセラピーなんだ。自分の感情を理解することかできるから。どんな曲になるかは考えず、ただただ思いつくままに書いた。そしてわずか1週間余りで、10年分の作品を、僕の最も深くてダークな気持ちに置き換えることができた。」
英メディア『The Sun』によると、エドとチェリーさんを知る人物は、当時の2人の様子について次の様に語ったという。
「チェリーとエドにとって、信じられないほど大変な時期でした。腫瘍の発見は衝撃的だったことに加え、すぐに手術ができないことがとても心配で、恐ろしいことでした。」
そして現在のチェリーさんの健康状態について、「彼女はジュピターちゃんを出産後に必要な治療を受けて、順調に回復しています。2人は、2023年がもっと良い年になることを願っています」と加えたという。
画像は『Ed Sheeran HQ 2023年3月1日付Instagram「Subtract will be released on 5th May 2023.」』『Ed Sheeran 2023年3月1日付Instagram「I had been working on Subtract for a decade,」、2023年2月20日付Instagram「Can’t believe it’s been a year.」』『Annie Leibovitz 2023年3月1日付Instagram「Ed Sheeran,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)