Text by CINRA編集部
映画『渇水』の特報、ティザービジュアル、新キャストが公開された。
6月2日から公開される同作は、水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作が、心の渇きにもがきながらも生の希望を取り戻していく物語。主演を生田斗真、監督を高橋正弥が務める。
予告編では、岩切俊作と2人だけで家に残された幼い姉妹との出会いや、葛藤しながらも規則に従い停水を執行する岩切の姿、地面に組み伏せられた岩切が「このままじゃダメなんだよ」が叫ぶシーンなどが確認できる。
ビジュアルには、「渇いているのは、心でした。」というコピーと共に、俯く岩切俊作の横顔が写し出されている。
今回新たに発表れたキャストは7人。姉妹の母親・小出有希役を門脇麦、岩切俊作と共に停水に回る同僚の木田拓次役を磯村勇斗、岩切の妻で、息子を連れ実家に帰ったきり戻ってこない岩切和美役を尾野真千子、2人きりで家に残された姉妹の姉・小出恵子役を山崎七海、妹・小出久美子役を柚穂、水道料金滞納者の伏見役を宮藤官九郎、水道局料金課の佐々木課長役を池田成志が演じる。
また、劇中の音楽を向井秀徳が手掛けていることも明らかとなった。
『渇水』©「渇水」製作委員会
【門脇麦のコメント】
母親の役というだけでまだ想像がつかない部分も多く、その役を遠く感じるものですが、さらにさらに遠い、私には理解が困難な役を皆様に支えていただきながら自分なりに手繰り寄せて演じました。きっと今もどこかに存在する姉妹のお話です。聞き飽きた綺麗事かもしれませんが、優しい世の中になってほしいと、演じながら改めて強く願う作品でした。
【磯村勇斗のコメント】
脚本をいただいて読んだときに、この作品に参加したいと強く思いました。
水道局員を軸に、僕たちのライフラインである「水道水」を通して社会問題に切り込み、そこで出会う人々の葛藤に、僕は惹かれました。
人の心も渇いていく世の中で、何か生きる希望を届けられたらと思います。
【尾野真千子のコメント】
とても気持ちが歯痒くなる映画です。
台本を読んだ時それぞれの気持ちがチクリチクリと刺さってポロポロと泣きました。
観てくださった人の心にも刺さりますように。
【山崎七海のコメント】
オーディションが決まった時は本当にびっくりしました。何度もオーディションを重ねて小出恵子を知っていくうちに、どんどんこの役が好きになっていって。なので参加出来た事が嬉しさでいっぱいでした。 岩切との出会いで姉妹が変わっていく、普通の姉妹とは違うけどどんな時でも助け合って生きていく姉妹を見てもらいたいです!
【柚穂のコメント】
この作品は初めての長期間の撮影でしたが、現場の人や出演者の人がとても優しく仲良くしてくれたので、自然に「久美子」になることが出来ました。私にはお姉ちゃんがいないので、本当にお姉ちゃんが出来たみたいで嬉しかったです。ぜひ「渇水」をたくさんの人に観てもらいたいです。
【宮藤官九郎のコメント】
「最初に水道を止められる役は宮藤さんしかいないと思ってた」と力説された時には戸惑いましたが、高橋監督には数々の現場でずいぶん助けられましたので、俺でよければ水道止めて下さいと快諾しました。とても切なく過酷な物語ですが、社会の理不尽を描くだけでは終わらない希望の光が見えた気がしました。公開おめでとうございます。
【池田成志のコメント】
天候不順な時に天候不順な題材を撮るって、ホント世の中ままならないよなぁとか思いながら撮影に臨みました。短い期間の撮影でしたが、何か明確なようで、明確ではないものを演じる、難しさみたいなものを感じました。映画経験をもっと積みたいです。かなり結構前から知ってる斗真君と、初めて仕事したのも嬉しかったです。