「仕事、好きですか?」と質問されて、「はい、大好きです」と言い切れる人というのはきっとそう多くないだろう。大体の人は「仕事の内容は好きだけど、人間関係がちょっと」みたいなことを言いがちだ。
僕も当然、仕事なんかしたくないと思っているタイプ。向上心もないし、「稼いでいい車乗って、いい女をデートに誘うぜ」みたいなダサいメンタルも持ち合わせていない。あるのは毎日、最低限こなしておきたいタスクを細々とこなすというルーティーンだけである。
今、僕は個人事業主で複数の記事をいくつかのクライアントさんに納品して食べているけれど、それだけでも日々なんとなくしんどい。だけど社会人としてふるまいつつ労働も頑張っているみなさんの気苦労なんてのは、僕なんかの比ではないだろう。(文:松本ミゾレ)
「結局どこ行っても同じようになってしまう」
先日、5ちゃんねるに「仕事をしてもすぐ辞めるダメ人間集合 第107回」というスレッドが立っていた。ここには仕事をしているものの、すぐに逃げ出したくなる人。もしくは職場で上手く立ち回れずに孤立して辞めたくなっている人たちの書き込みが色々と寄せられている。
僕も少ないながらいくつかの職場を転々としてきたが、転々としている時点で仕事が続かないタイプの人間であることは明白。
毎日出勤前に「あ~めんどくさ。親戚500人ぐらいいたら、数日おきに誰かしらの葬式がガチで入るから休めるのに」とか考えるぐらい、仕事に出向くのが嫌だった。また、どうにもケアレスミスも多くて、上司に叱責されることも。叱責されても「無意識にやっちまうから、俺が今更反省したところで意味がないのに」と思っちゃって、それが態度に出るものだから終いには胸倉を掴まれることもあった。
ミスが多い人って職場ではだんだんと厄介者扱いされるようになる。人柄でカバーする方法もあるかもしれないが、それが出来てない人の書き込みがスレッドにも見受けられる。ちょっと紹介しよう。
「パートで仕事始めて半年だけどもう辞めたい。最初は良いんだけど、他の人より仕事出来ないからだんだんボロが出始めて評価が徐々に落ちてくる。他の人が当たり前のようにやってることが当たり前に出来ない。そしてミスする度に落ち込んで叱られて自信が失くなって毎日ビクビクするようになって仕事に逝きたくなくなる。結局どこ行っても同じようになってしまう。どうすればいいんだよ」
この人はアレだね、ミスが続発するたびに「ああ、自分のせいだ」と真摯に受け止めることのできるタイプで、僕とはずいぶん違う。僕なんて、いつも僕を叱責してる人がミスした瞬間、ニヤニヤ笑いながらその人のデスクの周りをうろうろするもの。
だけどミスを何度もやらかす部分は共通しているから、結局どうなろうと同じく周りからキレ倒されてしまうわけで、その都度「ああ、またやった」と落ち込んでしまうわけだ。気の毒な性質である……。
「虚弱体質は不利」という人もいるが……
このスレッドには、仕事をしてもすぐに辞めたくなってしまう理由について「虚弱体質」を挙げる書き込みが目に付く。面白い着眼点なので、ちょっと引用させていただきたい。
「ぶっちゃけ恵まれた体格があれば才能とか無くてもバイタリティで仕事押し切れるよね。精神科のロビーなんて体力の無さそうな虚弱な人ばかり」
「虚弱体質は、筋トレしようが運動部に入ろうが変わらない。疲れやすさがそのままだから、少し体力をつけたところですぐだめになる。じじいでもできるような仕事につくしかない」
こうした声については「いやいや、滅茶苦茶体格が良くて健康そうな人も鬱になる時代よ」と言いたくもなるが、一方で虚弱体質の人は職種によってはパフォーマンスを発揮しにく場面があるのも事実。
僕も以前、肉体労働が多めの職場にひょろひょろの大卒の人が入って来て苦労する様子を目にしたことがあるけど、やっぱり合う合わないはあるのだ。
この人は結局部署を変更してもらい、そこから普通に働くようになった。なのでまあ、虚弱体質の人が労働に不向きというわけではなく、虚弱体質の人に向かない仕事が世間には割と多いので、そう見えるってのが真実なのだろう。そこは適材適所でカバーしたい。
でも本当のところ、見た目にはしっかり働いて充実していそうな人でも、内心何を考えてるかなんて分からないものだ。みんな結局は働かないと生きていけないから働いているわけだし。
ああ、つしんどいな。労働は。だけど仕事が嫌になって辞めたとて、いずれは食っていくためにまた働かないといけない、この世はまさに無間地獄……。