ゲームを楽しむ方法はいくつもある。じっくり時間をかけてのんびり攻略するのもアリだし、早解き目指してタイムアタックに挑戦するのもアリ。
しかしいつしかやり込み要素が充実したゲームも増えてきたし、クリアした際のスコアを集計してランクを発表してくるタイプのゲームも増えてきた。
まあ、気にすることなく自由に遊べばいいんだけど、一方でそういう要素を公式に導入されると、無視するのもちょっと……ってなっちゃって、結果的に自由なプレイスタイルを楽しめなくなったゲーマーもいるのではないだろうか。……って話を今日はやっていきたい。(文:松本ミゾレ)
「クリアタイムが何秒スコアが何万点とか出されると全く楽しくないねん」
先日、5ちゃんねるに「ゲームにクリアスコアつけるのやめてくれ」というスレッドが立っていた。スレ主の本文における言い分はこうだ。
「Sランクがどうだクリアタイムが何秒スコアが何万点とか出されると全く楽しくないねん」
「せっかく頑張ってクリアしたのにお前下手くそ! って言われてるみたいで悲しいねん」
彼の主張、正直僕はよく分かる。分かるぞぉってなっちゃった。クリアスコアが最後にデカデカと勿体つけて表示されるゲームってあるけども、アレをどうにか及第点にしないと自分のスキルがしょうもないって思えてしまうのだ。
実際しょうもないという判定をゲームに下されているわけなので、その通りなんだけども……でも、「なんでそんなこと判断されなきゃいけないんだ」という気がしてしまう部分もある。
僕はゲームの本筋を無視してふらふら遊ぶ人間なので、気に入った景色を見つけるとそのままぼ~っと10分ぐらい眺めることも多い。『エルデンリング』も海岸を見つけるたびにお馬さんで乗り付けてぼんやり眺めたものだ。それが好きなのだ。
でも今はほとんどのゲームって、プレイ中の総プレイ時間をしっかりカウントしており、中にはクリアした段階での所要時間がランクに大きく関与してくることもある。これがプレッシャーで、最近はそういうのを事前に選別して、意図的に遊ばないようにしている。
やっぱりどうしても、その手のランクが表示されるゲームを見ちゃうと「ん~、頑張って効率プレイに走るべきか」って思ってしまうし、それが大抵無惨にも失敗してしまうので。あくまでも余暇で楽しむのがゲームのはずだから、敬遠してしまっているのだ。勿体ないことだけど。
「ノーダメで攻略してもクリアタイムで総合C評価とか萎える」
で、本スレッドはそこまで注目されず、さっさと書き込みも途絶えてしまっているんだけども、意外とスレ主の主張に賛同する声が多い。
「わかる。ゆっくり散策させてくれって感じやわ」
「楽しみつつも割と懸命にやっとるのにああ言うの冷めるよな」
「ノーダメで攻略してもクリアタイムで総合C評価とか萎える」
「タイムアタックみたいになってストーリーとか頭に入らんわ」
「『はぁ…はぁ…何度も死んだけどなんとかクリアしたで!』→Eランク。攻略サイト『トゥルーエンドには全コースSランククリアが必要です』ワイは投げた」
僕が好きなゲームに『アーマード・コア』があるんだけど、あのゲームの場合、ミッション終了時にランクが表示されるタイプで、その結果報酬が変動したり、アンロックされるパーツも差が出てくる。ただし総合クリアした時点ではクリアスコア自体は出なかった記憶があるので、この点気楽だった。
まあ、あのゲームはアセンブルでじっくり頭を悩ませて実戦で試行錯誤しながら「ジェネレータの冷却が~」とか言って悩むのが面白いから、プレイ時間総数とかがランクに絡むと全員Eランク確定だろって話なので、なくて当然なんだけどね。
やっぱり、腰を据えてじっくり遊んでるだけなのに、タイトルによってはクリアまでの時間がかかったとかでランクが低いみたいな評価をされると気分も悪くなる。
しょせんクリア後の表示なので気にしないでいいとは思うものの、「だったらそもそもそんなの実装しなくてもいいのにね」という気もするし……。
たとえばカプコンの『バイオハザード』シリーズとかも、クリアまでのタイムが短いことで2周目以降使える強力な武器がアンロックされる仕組みがあってよく知られている。
だけどこれがあるせいでニューゲームからクリアまで、トイレにも行けないみたいな人も多いんじゃないだろうか、と。
セーブしないでそのまま短時間でクリアすることで得られる無限武器とかもあるので。
まあ、バイオは気合いと集中力を駆使すればいつかは数時間で高評価クリアできるんで、気合い入れてニューゲームすれば行けないこともないんだけど、早解きできないと魅力的なコンテンツに到達できないのは、ガチのゲーム下手にはしんどいよね。人を選ぶ遊び方だと常々思う。
ただしバイオの場合はタイムアタックがゲーム性にマッチしまくっているので、なくなるとそれはそれで残念だけど(どっちなんだよ)。