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ルノーの新型「カングー」は同じ値段で2つのタイプ! どっちを選ぶ?

2023年02月25日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ルノー・ジャポンが3月2日に発売する新型「カングー」には「クレアティフ」「インテンス」「ゼン」の3つのグレードがある。ゼンは受注生産で少し価格を抑えたエントリーグレード。クレアティフとインテンスは全く同じ価格だが、何が違うのか。なぜ、この2タイプを用意することになったのか。


○カングーファンならクレアティフ一択?



カングーのグレードと価格は「ゼン」(受注生産、ガソリンエンジン車のみ)が384万円、「クレアティフ」と「インテンス」がガソリンエンジン395万円、ディーゼルエンジン419万円。クレアティフとインテンスの最も大きな違いは見た目だ。



そもそもカングーには、商用車タイプ(カングーバン)と乗用車タイプがある。これまで、欧州では商用7割、乗用3割くらいの売れ行きだったそうだが、新型では「LCV」(小型商用車)としての基本性能を進化させつつ乗用車としての要素もレベルアップさせ、より上質なクルマを目指した。その効果もあってか、新型は生産台数ベースでいくと商用6割、乗用4割というミックスになっているそうだ。これまで商用タイプしか売っていなかった国の中には、新型から乗用タイプも売るようになったところもあるらしい。



日本仕様のインテンスは、乗用車として質感が上がった新型カングー本来の姿が楽しめるグレードだ。バンパーはボディ同色、ボディサイドも基本的には1色で黒いパーツが付いていない。選べるボディカラーは「ブラウン テラコッタ M」「グリ ハイランド M」「ブルー ソーダライト M」「ブラン ミネラル」の4色。「M」はメタリックで+5.5万円だ。


クレアティフはブラックのバンパー、サイドモール、スライドレールにスチールホイール、ダブルバックドアを組み合わせた日本だけの特別なグレードだ。あえて商用車っぽさを演出しているところが同グレード最大の特徴となっている。選べるボディカラーは「ジョン アグリュム」「ブラン ミネラル」の2色。

日本でカングーはカルト的な人気がある。カングーオーナーが集まる年に1度のファンイベント「カングージャンボリー」は大盛況で、2022年は参加台数1,903台、参加人数5,025人という盛り上がりっぷりだった。



日本ではカングーの商用車っぽさ、道具感、脱力感といった部分を好むファンが多いようだ。そんな中、乗用車としての要素を強めた新型「カングー」(インテンスの見た目)が発表となったものだから、SNSなどでは「こんなのカングーじゃない」といったネガティブな反応も見られた。ルノー・ジャポンとしては、こうした反応が出ることは予想できていたそうで、ルノー本社に事情を伝えて日本向けの特別なグレードを作ってもらったのだという。


クレアティフとインテンスは全く同じ値段だが、黒バンパーが付くクレアティフを選んだ場合、装備面などで我慢しなければいけないことはあるのだろうか。この質問に対してルノー・ジャポンの商品担当は「全くないです!」と即答してくれたのだが、「ただ、強いてあげるとすれば……」ということで、インテンスにはあってクレアティフにはない装備を教えてくれた。「フロントフォグランプのコーナリングランプ機能」だ。ウインカーを出して道を曲がるとき、曲がる方のフォグランプが行く先を照らしてくれるのがコーナリングランプ機能である。あれば確かに便利そうだが、個人的にはなくてもそこまで問題なさそうな機能だという気がする。


ちなみに、新型カングーには特別仕様車「プルミエール エディション」(ガソリン400.5万円、ディーゼル424.5万円)も用意されるが、こちらは黒バンパーも含め装備はクレアティフと同じ。ただし、ボディカラーはクレアティフでは選べない「ブラウン テラコッタ M」「グリ ハイランド M」「ブルー ソーダライト M」のラインアップとなる。



こうしてみていくと、カングーらしさあふれる黄色のボディカラーと黒バンパーを組み合わせられるのはクレアティフグレードのみだということがわかる。ファンなら同グレード一択のような気もするが、乗用車然としたインテンスがどのくらい売れるかにも注目したい。(藤田真吾)