いつの時代も博打で身を持ち崩す人間はいる。たとえば競馬、麻雀、そしてパチンコだ。ただし、いずれの賭博も、別に無理やりやらされるような存在ではなく、あくまでも依存症になっちゃった人が勝手に全部失うまでのめり込むだけ。なので結局は向き合う人の資質の問題となる。
では、どうしようもなく依存してしまい、それを自覚した上で「もうやめたい」と思ったらどうすればいいのか。いいヒントになりそうな投稿がネットにあった。(文:松本ミゾレ)
「顔写真渡して出禁にしてもらった」
先日、5ちゃんねるに「本気でパチンコを辞めるためにやれること全部したわ」というスレッドが立っていた。スレ主は重度のパチンコ依存症であり、既にそれを自覚している段階。ここに至るまで色々大変だったのだろう。いよいよ本当に、パチンコと縁切りを画策し、以下のような対処を行ったことを報告している。
「まず田舎でそこまで店がない+車等の足がないのがよかった。さらに近隣がほぼ大型店なのも良かった。自立支援プログラム(※編注、正確には自己申告プログラム)を取り入れている。バス使ったらぎり一時間以内で行けそうな全部の店回って自分の顔写真と自立支援プログラムの書類を渡して一番きつい出入り禁止にしてもらった。
これを行ってない店も四件あったが依存症で苦しんでてやばいこと伝えて顔写真渡して出禁にしてもらった。正直法律的な強制力はないがそれでもバイトやら社員やらに顔は知られるはずだ、恥ずかしい。
これでもまだやるなら本気で精神異常者だ。それで最後に家の近所のお地蔵さまにパチンコとかギャンブルと縁を切ってくださいとお願いしてきた。昔からお参りしていたお地蔵さまだこれでもやるならバチが当たるだろう。お地蔵さまも呆れてらっしゃるかもしれないが本気で頼んできたわ。重ねて言うなら心療内科で薬貰ってる。これで辞める絶対に辞める」
最近のパチンコホールには、自己申告プログラムといって、平たく言えば利用者が事前にお店側に申告しておくことで、長時間遊んでいたり、お金を使い過ぎたりすると店員さんにそれとなく忠告してもらえる制度がある。今回の投稿のように入店した場合は退店するよう言ってもらうこともできる。
と言っても有名無実の制度であり、こんなものを利用している人はそもそも見たことがない。なのでこのスレ主は貴重な制度利用者ということになる。
また、お地蔵さまにパチンコとの縁切りもお願いしているのも高ポイント。もう本当に足を洗うつもりなんだろう。彼が何歳なのかは記載がないので分からないが何事も行動を起こすのに遅すぎることはないので、無事にパチンコ絶ちができたることを祈らずにはいられない。
「キャッシュカード持ち歩かないようにした」という人も
さて、この熱い決意表明を目にして、スレッドを覗いた人たちはどう思ったのか。これについては色んな反応があったので、いくつか引用させていただきたい。
「別に無理して辞めんでもええやろ。金の問題ならレート下げるか頻度下げるだけでええし。ドはまりしてたものをぴたりと止めるのは難しいで」
「辞めて2ヶ月もすれば大概目が覚めるよ、でも油断して入店するとまた振り返す」
「ギャンブルはやめられないから株とかもっと世間体のいい種類に移行すればいい」
「ワイはキャッシュカード持ち歩かないようにした。あと一万以上の現金持たない」
やめられないだろ、という意見もあれば、パチンコホールに近寄れないように現金もキャッシュカードも持ち歩かないことを提案する声もある。
パチンコホールってキャッシュレス決済には非対応という時代遅れの施設でもあるので、現金を持ち歩かないのは有効な手かもしれない。「どうしてもパチンコしたい」なんて思っても、PayPay残高なら山ほどあるが紙幣はないという状態をわざと作るのは理にかなっている。
また、2か月もやめてれば冷静になるとの声もあるが、これは僕も心当たりがある。以前、別に辞めようと思ったことはないもののたまたま1年、2年と遊ばなくなってから、パチンコのことなんて本当に忘れてしまっていた。
ただし書き込みにもあるように、再入店しちゃうともうダメ。失われていた記憶が一気に復活して、気が付けばこのザマなのである。それで去年はいくら負けたと思う? 60万円よ! 60万もあったら、何が出来たんだろう……パチンコが死ぬほど出来ただろうなぁ。
いやあ、パチンコって怖いですね!