浅野いにお原作による実写映画「零落」より、本編映像の一部が公開された。
【大きな画像をもっと見る】3月17日より公開される「零落」は、売れっ子マンガ家から“元”売れっ子マンガ家となった主人公・深澤薫の“極限の業”を描く物語。本日2月22日が猫の日であることにちなみ、映画本編から猫にまつわるシーンが公開された。斎藤工演じる深澤が無気力で鬱屈した日々を過ごしながら、飼い猫のチーにだけは慈しむような眼差しを向ける場面のほか、趣里演じる猫のような目をした風俗嬢・ちふゆにたじろぐ場面が切り取られている。
美術家の奈良美智や作家の燃え殻、プロインタビュアーの吉田豪らから寄せられた推薦コメントも公開。公開前夜の3月16日には、深澤の妻・町田のぞみ役を演じ、プロデューサーも務めたMEGUMIと監督・竹中直人のトークショーが、東京・TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHで行われる。会場参加のほかオンラインでの配信も実施。いずれも申し込みが必要となり、先着順で3月16日18時30分まで受け付けている。なお会場参加は定員50人までで、特典としてプレスシートをプレゼント。オンライン視聴は100人まで参加できる。
■ 奈良美智(美術家)コメント
まるで自分の半生を観ているようだ。理解されない悔しさは虚無に吹き飛ばされ、迷い込んだ道に出口は無い。
しかし、そこからこの物語は生まれた。人生はまだ半分残っている。
■ 燃え殻(作家)コメント
見たことある気がする、あの瞳、あの絶望。
■ 吉田豪(プロインタビュアー、プロ書評家)コメント
浅野いにお先生にお洒落サブカルなイメージを抱いてる女性ファンを突き放すかのような作品『零落』は、実は現実とかなりシンクロした内容でそこがボクの大好物だったりするんですが、映画版『零落』はそんな原作をかなり忠実に再現していました。というか、原作よりもエグい描写もあったりして。そして出演の趣里さんも、あまりにも適役すぎてすごかったです。誤差ほぼゼロ。
■ 安藤玉恵(俳優)コメント
それでも結局白い紙の前に座って線を入れ始める…。
共感など無意味だと全身全霊で生きる主人公の孤独に引き寄せられた人たちがこのあと、傷を癒やして、幸せになりますようにと思いました。
■ 片岡礼子(俳優)コメント
登場人物を愛しいと思うほどに 悲しくなる、
1秒も甘えさせてくれない映画。皮肉にもそこに惹かれた。彼の佇まいが艶やかな香りのようで行き場なくそこに残る。
■ 永野(芸人)コメント
ラッセンのネタでブレイクした後に「歯を磨いてタケダさん」というネタを「良かれと思って」作って鬱になった事を思い出しました。斎藤工が自分勝手な主人公を見事に演じてました。
■ 中井圭(映画解説者)コメント
売れれば勝ちの現代に表現と対峙する時、純粋さは周囲を傷つけるが、誰より自分を深く傷つける。斎藤工を起用した竹中監督の人間を見つめる目に驚き、絶望に取り憑かれた漫画家を恐ろしい精度で演じた斎藤工と共に、我々は孤独を抱える。
■ SYO(物書き)コメント
創作者の皮膚を剥ぎ晒す斎藤工の内臓みある演技に救われる自分がいた。
僕たちはみな心に狂気を飼っている。
どれだけ取り繕おうとも、同じ地獄を往くのだ。業火に焼かれながら。
■ Ed TSUWAKI(イラストレーター)コメント
身につまされました...
名もない男でいられなかった
かなしき、恋。
それもまたよし。で。
斎藤工さんがとにかく素晴らしかった。
竹中直人監督が新章に入られたと強く思いました。
■ しんのすけ(映画感想TikTokクリエイター)コメント
「好きなことで生きていく」を叶えた人、目指している人はこの映画を観ない方がいいかも知れません。
いや、やっぱり観た方がいい。観なきゃいけない。
この主人公が零落(落ちぶれること)した先に待つ絶望と希望を知った僕は、ずっと怯えて生きるのです。
■ 映画「零落」
2023年3月17日(金)に東京・テアトル新宿ほかにて全国ロードショー
出演:斎藤工、趣里、MEGUMI、山下リオ、土佐和成、吉沢悠、菅原永二、黒田大輔、永積崇、信江勇、佐々木史帆、しりあがり寿、大橋裕之、安井順平、志磨遼平、宮崎香蓮、玉城ティナ、安達祐実
原作:浅野いにお「零落」(小学館 ビッグスペリオールコミックス刊)
監督:竹中直人
脚本:倉持裕
製作幹事・配給:日活/ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
宣伝協力:ミラクルヴォイス
製作:「零落」製作委員会(日活/ハピネットファントム・スタジオ/小学館)
※宮崎香蓮の崎はたつさきが正式表記。
(c)2023浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会