カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日2月22日は、ニャンニャンニャンの語呂合わせで「猫の日」。 猫のマンガを紹介するニャン!
【大きな画像をもっと見る】文・構成 / コミックナタリー編集部
■ 工藤ノリコ「ノラネコぐんだんコミック」(白泉社)
□ 絵本で大人気の「ノラネコぐんだん」は、もともとマンガの登場キャラだった
さまざまな仕事に挑戦する真面目な犬・ワンワンちゃんと、そこにやって来ては悪びれる様子もなくイタズラをする8匹の猫たち・ノラネコぐんだんを描いた絵本「ノラネコぐんだん」シリーズ。2022年で10周年を迎え、MOE絵本屋さん大賞の常連にもなっている人気作だが、その原点は実は工藤ノリコが1998年に執筆を開始した4コママンガ「がんばれ!ワンワンちゃん」だった。ワンワンちゃんとノラネコたちの関係性は絵本と大差ないが、マンガでは漢字で「ノラネコ軍団」と書き、何匹いるのか不明だったり、そもそも初期はビジュアルがぜんぜん今と違ったりといった変化も楽しめる。「ノラネコぐんだんコミック」は、そんな「がんばれ!ワンワンちゃん」から269本の4コマをセレクトした単行本。子供の読む本を絵本から、文字の増えるマンガへとステップアップさせたい場合にもピッタリの1冊だ。
「ノラネコぐんだんコミック」 -白泉社■ ますむらひろし「ますむら版 宮沢賢治童話集 銀河鉄道の夜 最終形/初期形[ブルカニロ博士篇]」(偕成社)
□ 原作に忠実だけど、登場人物を全員猫にしたマンガ版「銀河鉄道の夜」
宮沢賢治の代表作とも言える童話「銀河鉄道の夜」。ますむらひろしによるマンガ版はアニメにもなっており、原作の童話は読んだことがなくとも、猫のジョバンニとカムパネルラは知っているという人も少なくないだろう。その有名な“登場キャラクターが猫”という設定は実は原作にはなく、ますむらによるアレンジ。そう言われると好き勝手に内容を改変しているのではと思われるかも知れないが、物語やセリフは驚くほど原作を忠実に再現しているのだ。宮沢賢治研究者・天沢退二郎は巻末収録の寄稿文「不自由さからうまれた力」内で、「まったく画期的なことで、当時強烈な反発と称賛とを、交々、惹き起こした」とますむら版「銀河鉄道の夜」発表当時の衝撃を語り、人間の使う言葉や道具を猫化したキャラクターに当てはめることについても、その中で解説している。
ますむらひろし「ますむら版 宮沢賢治童話集 銀河鉄道の夜 最終形/初期形[ブルカニロ博士篇]」 - 偕成社■ 丸紅茜「転生したら異世界なんて行かずにあの子の部屋で猫になりたい」(祥伝社)
□ 愚かなOLに寄生して楽に生きようとする猫転生者。けど彼女を見ていたら……
「くそ~~まだ月曜かよ~~」「しんど~~…」と週の頭からすでにゲッソリしている、悲惨な労働環境が透けて見える会社員女性。そんな彼女が、かわいい子猫を拾ったことから物語の幕は開く。この子のためならばがんばれる!と猫との生活をモチベーションにツラい仕事に出かける飼い主だったが、当の猫は「バカめ!!!」と心の中でほくそ笑むのだった。……なぜなら、このマンガのタイトルは「転生したら異世界なんて行かずにあの子の部屋で猫になりたい」。猫に生まれ変わり、そのかわいさに釣られた愚かな人間に寄生して楽に一生を過ごそうとゲスな考えを持っていた主人公だったが、飼い主の女性を見守るうちに、その心境に変化が……。