セブリングでのWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスデビューを控えるポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦のデイトナ24時間で直面したいくつかの問題を解決するため、全メーカーが使用するLMDh共通パーツの「サプライヤーと協力」しているところだという。
チームのマネージング・ディレクターを務めるジョナサン・ディウグイドは、デイトナでポルシェ963の2台がトラブルに見舞われたこととについて「少しがっかりしている」と記者団に語った。
6号車はXトラックのギヤボックス、7号車はウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング製バッテリーといずれも共通パーツ関するトラブルに加え、ウォーターパイプの破損に見舞われていた。
ポルシェは現在、ウェザーテック選手権第2戦と同じ週末に開催されるWECでの初陣、セブリング1000マイルレースを3月に控えている。
ディウグイドは、ペンスキーのワークスチームが、セブリングのダブルシリーズイベントで信頼性を向上させるための作業の一環として、共通パーツのサプライヤーと協力し合っていることを明らかにした。
「レース中、すべてのLMDhメーカーが問題に見舞われたと思う」と彼は言う。
「我々の抱えたトラブルは、間違いなく全員が目にしていた」
「共通コンポーネントは、コストコントロールに有効な手段だと思う。それは複数のプラットフォームにまたがって開発することができるが、プラットフォームはそれぞれ異なる。プラットフォームが異なれば、エンジン特性や振動レベルも異なる」
「我々のチームが選んだマシンの構造によって、これらの部品がどのような影響を受けるのかを理解し、将来的にこれらの部品の信頼性を確保する方法を確かにするため、サプライヤーと一緒に作業に取り組んでいるところだ」
アキュラARX-06勢が1位と2位を獲得したデイトナだが、ディウグイドはポルシェ・ペンスキーモータースポーツ陣営には立ち直る「自信」があると付け加えた。
「我々は、デイトナでのパフォーマンスに少し失望した」と彼は評価する。
「その努力はレース後も続き、Xトラックやハイブリッド・パートナーとうまく連携して問題に対処している。彼らは我々の技術パートナーだ。セブリングでは万全の体制で臨む。それが我々の仕事であり、役割だ」
「この2日間、我々はIMSAのオープンテストで走行した。我々の焦点は、次の2週間で確実に準備することだ」
ディウグイドによると、先週のセブリングでのIMSA公認テストは、同サーキットでのWECハイパーカー・デビューに向けたポルシェの準備に「直接的に反映できる」ものであったという。WECでポルシェ963をシェアするミカエル・クリステンセンとデイン・キャメロンは、IMSAチームにジョイントし、現地入りしていた。
「(テストの内容は)直接的に反映できると思う」と、ディウグイド。
「技術的なレギュレーションやホモロゲーションは、ふたつの選手権間で極めて共通のものだ。タイヤも同じだ」
「テスト用のテクニカルレギュレーションでは、両選手権に参戦しているメーカーやチームが有利にならないように配慮されている。だが、ここでのテスト内容はそのまま反映できるものだ」
「我々はここでWECプログラムの関係者を作業に直接参加させ、我々が生成する情報の効率を最大化している」
加えてディウグイドは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが水曜日に北米とヨーロッパでLMDhのマシンを同時に走らせるという「マイルストーンを達成」したと明らかにした。
セブリングでのIMSAテストが行われている間、ヨーロッパを拠点とするWECのファクトリーチームは、ポルシェのバイザッハのファクトリーで963を走らせたのである。
ケビン・エストーレがステアリングを握ったこのシェイクダウンは、WECの『特別テスト』条項にあたる1時間以内のセッションにカウントされることが確認されている。
ディウグイドは、ポルシェが昨年の夏の終わりからヨーロッパでテストを行っていないのは、デイトナでのデビューに向けた準備に重点を移していたからだと説明していた。
「IMSAのプログラムはセブリングでテストを行い、ドイツチームはセブリングでのWECレースに向けて予定されたロールアウトを行っていた」と彼は言う。
「我々が成長し続け、両選手権に参戦できるようになるにつれ、インフラを拡張し、何が起こるべきかを理解するために人員と運営面でストレスを与えるようなイベントが待ち構えている」
「セブリングのジョイントイベントの前にヨーロッパでテストが予定されており、その後、我々はWECのシーズンを迎える」
「イベントとロジスティクスの間に空いた唯一の隙間に、テストスケジュールが詰め込まれているんだ」