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【漫画】大好きな少女と再会するために克服すべきは「虫歯」…? 身近で壮大なSNS漫画が熱い

2023年02月21日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

漫画『自力で虫歯を治して好きな子に会う話。』より

 離れ離れになってしまった大好きな人と再会するためだったら、人はどんな困難にも立ち向かえるかもしれない。「虫歯」という身近なモチーフと、「別の銀河への引っ越し」という壮大なSFを掛け合わせた創作漫画『自力で虫歯を治して好きな子に会う話。』は、ぶっ飛んだエンターテインメントでありながら、読者の共感を誘う作品だ。


(参考:漫画『自力で虫歯を治して好きな子に会う話。』を読む


 好きな女の子であるボビンが“渦巻銀河 ”に引っ越すことを悲しむ、5歳児のツムジ。宇宙船に乗ってボビンに会いに行こうと考えるが、前歯以外すべて虫歯のツムジは歯医者の甘藤先生から、その状態で宇宙船に乗ると歯が破裂するから無理だと言われる。ますます悲しみに暮れるツムジだったが、甘藤先生からある提案をされて――。


 本作を手がけたのは、働きながら休日のほとんどを漫画制作に費やしているという、ねずっ坊さん(@Nezu_ppo)。可愛らしいキャラクターによる斬新過ぎる展開のSFコメディが生まれたキッカケなど、話を聞いた。(望月悠木)


■「虫歯のまま宇宙へ行くと歯が破裂する」という記事がキッカケ


――『自力で虫歯を治して好きな子に会う話。』制作のキッカケは?


ねずっ坊:この読み切りは漫画賞に応募するために制作したものです。宇宙が好きなので「宇宙を舞台にしたコメディ寄りの漫画を描きたいな」と思ってたのでこの世界観になりました。また、宇宙の面白い知識など探してた時に「虫歯のまま宇宙へ行くと歯が破裂する」という記事を見つけて、「これだ!」ってなりました。


――登場人物はみんな可愛らしくキャッチーな印象でした。


ねずっ坊:主人公はもともと趣味で描いていたオリジナルキャラクターをそのまま使いました。ただ、描く時には最近誕生した姪っ子を意識しました。横を向いた時のほっぺたや体型など。先生はモデルなどは決めずに自分の好みを詰めて描きました。


――太った虫歯のデザインはどのように決めたのですか?


ねずっ坊:『ワンパンマン』のキャラクターを参考にしました。いろんなビジュアルの敵がたくさん出てくるのでとても参考になります。


――自分自身の虫歯と実際に戦う、というアイデアは斬新でしたね。


ねずっ坊:虫歯菌のキャラクターが実在するわけではありません。とはいえ、「歯を題材にして描く」となった時、「実在したらパンチとかキックとかも効くのかな?」「自力で倒すことでもう虫歯にならないようになるのかな?」など、いろいろ考えを巡らせた結果、今回のような展開になりました。


――バトルシーンは爽快感がありました。


ねずっ坊:小さな身体だからこそ、躍動感や動きを大きく見せれるようにバトルシーンは全身しっかり描くことを意識したことが良かったのかもしれません。


――テンポがよく、ギャグも楽しめる内容でした。


ねずっ坊:ボケ倒すことが好きなので、思いついたら詰め込み過ぎちゃうこともあります。ただ、本当に内容と関係ないボケは捨てて、話に合ったものだけ入れたことがテンポ感の良さにつながったのではないでしょうか。また、セリフも最小限にすることも意識しています。自分が読むの苦手なので……。


――今後の漫画制作について教えてください。


ねずっ坊:たくさんの人に読んでもらうために商業連載を目指し、誰かの心に残る作品を作っていけたら最高です。名前だけでも覚えていただけたら嬉しいです!


(望月悠木)