親が決めた進学先に一度は入学するも、自身で勉強し直してみごと希望の大学に入り直したという経験談が寄せられた。兵庫県に住む60代前半の女性(教育・保育・公務員・農林水産・その他/年収250万円)は当時をこう回想する。
「父親が勝手に、良妻賢母を校訓とする私立女子大に願書を出し、受験させ、合格したらすぐに入学金と授業料を払ってしまった」
大学生という身分を利用して……
いまどきは「良妻賢母」をそのまま校訓とする女子大学は見かけないが、40年以上前には存在していたようだ。女性は当時をこう振り返る。
「行きたくもない大学だったが、前期は大学に出席しながら、大学生という身分を利用して新設されたばかりの予備校で採点などのバイト」
「その予備校のテキストを手に入れて勉強した」
とりあえず入学し、予備校バイトのメリットを生かしながら受験勉強を続けたのだ。いわゆる「仮面浪人」という状態だろう。女性の頑張りには協力者もいたようだ。
「その予備校の授業にも、職員さんの計らいて出席させてもらった。後期は、その予備校でバイト料を用いて本格的に勉強した」
としまいにはがっつり予備校生となって受験準備を進めた様子だ。
「採点以外も授業後の黒板消しやトイレ掃除などのバイトをしながらだったが、本当に楽しかった。国公立大学に受かったのは、あの予備校の優しい職員さんや先生方のおかげだと、いまでも感謝している」
女性はこう振り返り、自身の希望を果たしたことを述懐していた。