石塚真一原作によるアニメ映画「BLUE GIANT」の初日舞台挨拶が、本日2月17日に東京・TOHOシネマズ日比谷で開催された。
【大きな画像をもっと見る】舞台挨拶には宮本大役の山田裕貴、沢辺雪祈役の間宮祥太朗、玉田俊二役の岡山天音、立川譲監督が登壇。公開初日を迎えた心境を司会に聞かれ、山田は「自分の声を聞いてもらいたいというよりも、『BLUE GIANT』が持つ魂みたいなものを皆さんに早く感じてほしいと思っていました。そんな日がきて本当にうれしいです」と答える。もともと原作ファンだった岡山も「自分たちの作品を見てもらえるという感覚よりも、『BLUE GIANT』が映画という新たな形でより広まっていくことが本当にうれしく思います」と笑顔を見せた。
山田は特に印象に残ったというラストシーンについて「台本読んでも泣いて、ラフ(練習用の映像)を見たときも泣いて、アフレコのときも泣いて、完成版としてもらったディスクを観たときも泣いて。どんだけすごいんだ、この作品の力は!と思いました」とコメント。SNSで映画を観て泣いたという感想や、劇場で拍手が鳴り止まなかったという報告もすでに見かけたそうで「共感や共有を無理やりさせたいわけじゃないんですけど、そういう人たちがいるっていうことだけで、僕らがこういう仕事をやっている意味があるよなあと身に染みて感じました」としみじみ述べる。当初は好きなシーンについての質問だったが、熱くなりすぎたあまり話がどんどん外れていってしまった山田。「……これ、なんの質問でしたっけ?」とキョトンとし、登壇者や客席を笑わせた。
音響監督も務めた立川監督はそれぞれの声に言及。山田については「大の声は強くまっすぐなイメージでした。原作の石塚先生からはどこかにかわいらしさを秘めてほしいと言われていましたが、それが山田さんの声にドンピシャ。少し朴訥で、仙台から上京してきたような感じもする。絶妙なバランス」と絶賛。間宮については「本当にイケメンボイス。原作だと雪祈がモテている描写がけっこうあるので、モテそうな声がぴったりでした」と評価し、本人を照れさせる。岡山の番では「玉田は一番感情豊かに描いたつもり。玉田がいることで周りも本音をぶつけてくれて、物語のいい味付けになってくれています」と述べた。
イベントでは石塚からの手紙が読まれる一幕も。石塚は「描いているマンガが映画になるのは多くのマンガ家が夢見ることで、でもそれは願っても簡単に叶うことではありません。ましてやジャズのマンガ。奇跡でも起こらない限り、アニメ化は無理だと僕自身思っていました。立川譲監督、長期にわたる試行錯誤、そして多岐にわたる作業、監督指導、本当にお疲れ様でした。感謝です。山田裕貴さん、大らしい大の声、真摯な音としてスクリーンから伝わってきました。サンキュー! 間宮祥太郎さん、大人だけど、繊細な雪祈の心の声を気合いで表現してくれてありがとう。カッケエ! 岡山天音さん、本当はジャズより少女時代の方が好きなんでしょ? 優しい玉田をあざっした! 皆さんのおかげで僕の大きな夢が叶いました。本当に本当に、ありがとうございました」と言葉を贈る。オチに使われ若干不服そうな岡山を横に、山田は「先生が思っていたものを映し出せたのなら本当によかった。ありがたいお手紙です」とホッとした表情を浮かべた。
最後に岡山は「事前にデモの映像をもらって、それにどういう声を当てていくのか何度も練習して。完成品を観させていただいたんですけど、正直まだ全然客観的に観れていないんです。いちファンとしても、映画『BLUE GIANT』がどんな作品になっているのかを確認しに劇場に足を運ぼうと思います」と挨拶。間宮は「JASS(大、雪祈、玉田のバンド)のライブみたいにお客さんがどんどん増えていって、熱が伝導していくような映画になっていけばいいなと思います」と語る。山田は「言葉で表そうとすればするほど小さくなるんじゃないかと思うぐらい、この『BLUE GIANT』という作品は大きな力を持っていると思います。この映画を観にきた、聴きにきた人しか持って帰れない感想が絶対にあるはず。皆さんに、今日ここで受け取ったものを全力で文章にぶつけて広めていってほしいです。それによって、この映画『BLUE GIANT』を青く大きく光る炎のような作品にしていければいいなと思います」とアピールした。
■ アニメ映画「BLUE GIANT」
2023年2月17日(金)全国公開
原作:石塚真一「BLUE GIANT」(小学館「ビッグコミック」連載)
監督:立川譲
脚本:NUMBER 8
演奏:馬場智章(サックス)、上原ひろみ(ピアノ)、石若駿(ドラム)
アニメーション制作:NUT
配給:東宝映像事業部
□ キャスト
宮本大:山田裕貴
沢辺雪祈:間宮祥太朗
玉田俊二:岡山天音
(c)2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 (c)2013 石塚真一/小学館