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「第1回新潟国際アニメーション映画祭」技術職を讃える大川=蕗谷賞の受賞者発表

2023年02月17日 16:49  コミックナタリー

コミックナタリー

「第1回新潟国際アニメーション映画祭」ビジュアル
「第1回新潟国際アニメーション映画祭」の大川=蕗谷賞の受賞者が発表された。

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アジア最大の長編アニメーション映画の祭典として、3月17日から22日まで新潟の各会場で開催される同映画祭。長編部門(コンペティション)へのエントリー作品をはじめ、会期中は約50本のアニメーション映画が上映される。大川=蕗谷賞はアニメーションの技術職のスタッフ、企業、スタジオを選出し、その業績を讃える賞。第二次大戦後に日本のアニメーション文化の立上げに大きな役割を果たした、新潟出身でもある大川博と蕗谷虹児の名が冠されている。

大川=蕗谷賞に選ばれたのは、「犬王」総作画監督の亀田祥倫と中野悟史、「漁港の肉子ちゃん」美術監督の木村真二、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」撮影監督の寺尾優一、「THE FIRST SLAM DUNK」のCGアニメーションを手がけた東映アニメーションとダンデライオンアニメーションスタジオ、「劇場版 呪術廻戦 0」アニメーション制作スタジオのMAPPA。同映画祭のプログラム・ディレクターを務める数土直志氏からは、各受賞者の受賞理由が到着。フェスティバル・ディレクターの井上伸一郎氏もコメントを寄せた。

授賞式は3月17日に同映画祭の開会式で実施。また大川=蕗谷賞受賞を受賞した全作品は、3月18日から21日までT・ジョイ新潟万代で連日18時から日替わりで上映される。前売り券は本日2月17日より販売中だ。

■ 数土直志氏(プログラム・ディレクター)コメント
□ 亀田祥倫、中野悟史(「犬王」総作画監督)について
音楽に合わせて跳んだり走ったり、「犬王」は全編にわたりアニメーションの動きの魅力が溢れています。その動きを作りだすアニメーターの仕事が「犬王」の見せ場です。時代劇でミュージカルアニメとの難しい課題に挑戦し、見たこともない動きを次々に繰り広げる。日本のアニメーションの最高峰を実現しました。

□ 木村真二(「漁港の肉子ちゃん」美術監督)について
長年にわたり、アニメーション映画の美術に欠かせない存在であった木村真二さんが、「漁港の肉子ちゃん」でまた素晴らしい仕事を残しました。作品の舞台になった東北地方の漁港を、物語に相応しい繊細さと情感で表現しました。まさに日本のアニメーション技術の極みといえるものです。

□ 寺尾優一(「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」撮影監督)について
近年、アニメーション制作における撮影の役割が以前より大きくなったと指摘されます。完成したアニメーションの絵に撮影の技が最後に加わることで、作品はさらに輝きを増します。寺尾優一さんはそんな撮影の素晴らしさを、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を通じて示し、同時にその技は作品の魅力の大きな部分を担っています。

□ 東映アニメーション、ダンデライオンアニメーションスタジオ(「THE FIRST SLAM DUNK」CGアニメーション)について
「漫画の絵がそのまま動き出したようなアニメーションを実現したい」、多くの漫画家が夢見る映像を、原作者・井上雄彦と共に最新のCGアニメーションで実現。誰も観たことがない、こんなことが出来るのか、驚きの連続でした。卓越した技術で実現した「THE FIRST SLAM DUNK」の映像は、CGアニメーションの新しい時代を切り拓くことになるはずです。

□ MAPPA(「劇場版 呪術廻戦 0」アニメーション制作スタジオ)について
現代の若者の心を掴み空前の大ヒットになった「劇場版 呪術廻戦 0」。これはアニメーション制作を担当したMAPPAが設立から12年の若いスタジオであることも無関係ではないはずです。「チェンソーマン」、「ユーリ!!! on ICE」など話題作を次々に生み出すMAPPAは、新しい時代を捉える未来のアニメスタジオなのです。

■ 井上伸一郎氏(フェスティバル・ディレクター)コメント
記念すべき第1回の大川=蕗谷賞を受賞した皆様、まことにおめでとうございます。大川=蕗谷賞は、功労賞的なものではなく、いま現在ご活躍めざましい個人のクリエイターと、制作スタジオ・制作会社を対象にしています。2022年、10億円を超える興行成績をあげた邦画作品のうち、アニメーション映画が占める割合は実に70%を超えています。大川=蕗谷賞の設立により、こうしたアニメーション映画の発展を支える現場の皆様を少しでも勇気付けることができましたら、映画祭実行委員会一同、恭悦の至りです。

■ 「第1回新潟国際アニメーション映画祭」
会期:2023年3月17日(金)~22日(水)
上映会場:新潟県 新潟市民プラザ、T・ジョイ新潟万代、シネウィンド、クロスパル新潟 
イベント会場:新潟県 新潟日報メディアシップ、古町ルフル広場、新潟大学駅南キャンパスときめいと
FORUM会場:新潟県 開志専門職大学