2月9~12日に行われたWRC世界ラリー選手権第2戦ラリー・スウェーデン。シーズン唯一のフルスノーラリーである同イベントで優勝したオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)と、彼が所属するMスポーツの創設者でマネージング・ディレクターでもあるマルコム・ウィルソンは、互いに感謝の意を示した。
トヨタとヒョンデを相手に、WRCのトップカテゴリーで戦うセミワークスチームのMスポーツ・フォードWRTにとって、スウェーデンでの美酒は2022年開幕戦モンテカルロ以来、1年と20日ぶりのものだった。
ウィルソンは、エストニア人が自分たちの“ホーム”に戻ってくるように、2022年の終わりに何日も何週間もかけて交渉を重ねて契約を結んだことを振り返って微笑んだ。
彼らの努力はチームに385日ぶりの優勝をもたらすというかたちで報われ、その価値が充分にあったことを証明した。
ウィルソンは、「私はこの結果が可能だと思っていた」とWRC.comに語った。
「(タナクと)契約を交わしたときから、優勝できると分かっていた。スウェーデンで実現可能だと思ったかって? 表彰台を獲得することはできると思っていたし、表彰台に上がれば優勝のチャンスもある」
「ひとつ、はっきりしていることがある。オット(・タナク)がこのラリーで違いを生んだということだ。彼は私たちのためにこのラリーで勝ってくれた」
「とはいえ、クルマにはまだやるべきことがある。彼が何を望んでいるのか、何に不満があるのかもわかっているし、あとはその作業を確実にこなして、彼が望むレベルにマシンを持っていくだけだ」
同氏は、タナクにとって2018年以来のMスポーツでの最初の勝利と、イギリスのラリーチームにとって約1年ぶりの優勝が意思表示として具現したものだったと付け加えた。
「彼が満足していないときにクルマで何ができるかを見て、彼が満足しているときに何が可能なのかを知ることは、本当に励みになる。確実にそこにたどり着きたい」とウィルソン。
「チーム全体にとってもトップに返り咲くことができたのは素晴らしいことだ。私たちならできると思っていた。このチームには素晴らしいメンバーがいるからね」
「彼らはこの瞬間のために毎日働いているし、私はMスポーツがそこに戻るポテンシャルを持っていることを疑ったことはない」
「これは個人ではなくチームの話だが、オットやマルティン(・ヤルヴェオヤ)がスウェーデンで成し遂げた仕事は、本当に素晴らしいと言わざる得ない」