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2023年のバイク事情 第3回 今まで経験したバイク事故の内容は? 【事故と安全に関する実態調査・前編】

2023年02月13日 16:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
公道を走るドライバーやライダーは事故を起こさないように心がけているはずですが、人間はどうしてもミスを起こしてしまいます。また、自分や相手の不注意だけでなく、イレギュラーな出来事が重なることで起きる事故も少なくありません。今回は、マイナビニュース会員が経験したバイク事故の内容について紹介します。


■バイク事故の経験者は半数以上! ケガの程度は?

○Q.バイクで事故をしたことはありますか?


はい ―――64.8%

いいえ ―――35.2%



○Q.事故をした時、どのような状態でしたか?


1位:擦り傷や打撲程度の軽傷 ―――54.7%

2位:手術はしなかったが救急車で運ばれた ―――19.6%

3位:手術をともなう数日の入院 ―――10.9%

4位:無傷 ―――10.2%

5位:1ヵ月~半年以上の入院 ―――4.5%

6位:半年以上の入院 ―――0.0%


アンケートの結果では半数以上の方がバイク事故を経験していました。多くの方は擦り傷や打撲程度の軽症で済んでいますが、救急車で運ばれたり、手術や入院をされた方も15%以上います。



バイクの事故といっても、単独の転倒から、歩行者やクルマなどに衝突する対人・対物事故があります。具体的にはどんな事故を経験したのでしょうか。

■具体的に、どんな事故だった?

○【右直事故】


男性/53歳

夜勤を終えて帰宅中、信号の無い交差点で免許取り立ての若い男性の車が右折して衝突



女性/51歳

右端を走行中、右折してきたバイクと衝突した。お互いが車の陰になって見えなかった



男性/53歳

信号待ちで車に追突されて転倒。足を骨折して全治1ヵ月



男性/44歳

左折車の巻き込み事故に遭った



男性/53歳

信号機のない交差点で出会い頭に衝突


交差点の事故で多いのが、直進中に対向の右折車と衝突する「右直事故」です。小さなバイクの姿をドライバーが見落としたり、速度や距離感を見誤ることが原因といわれていますが、十分に速度を落とせずに衝突するため身体へのダメージが大きく、命を落とすこともある危険な事故です。交差点は文字通り“ほかの車両と交差する場所”なので、そのほかにも追突や飛び出しなど、さまざまな事故のリスクが潜んでいる場所といえるでしょう。

○【接触・追突】


男性/53歳

信号待ちで車に追突されて転倒。足を骨折して全治1ヵ月



男性/53歳

隣の車線を走っていた車がウインカーを点けずに車線変更し、接触して転倒



男性/52歳

狭い道で前から来たタクシーとヒジがぶつかり、ぱっくり割れて骨が見えた



男性/32歳

停車中に車がバックしてきてぶつかった



男性/46歳

夕方の暗い公道を走っていたら、リヤカーが放置されていてぶつかった


「右直事故」同様、ほかの車両との衝突はとても危険です。低速でもバイクは追突されると転倒する可能性が高く、ライダーがバイクの下敷きになったり、後続車に轢かれるというリスクもあります。走行中の前方や側方確認だけでなく、交差点や渋滞の最後尾で停止する場合も、後方から来る車両の様子をバックミラーで確認しておくのがよいでしょう。

○【カーブで曲がれなかった】


男性/59歳

山へ走りに行って転倒



男性/50歳

カーブでスリップして単独事故



男性/39歳

コーナーを曲がり切れず、ガードレールに激突してクラッシュした



男性/53歳

ハイサイドで鎖骨を粉砕骨折



男性/41歳

峠を攻めたあとに緩いカーブでボーッとしてしまい、反対車線に投げ出された


カーブで転倒する原因の多くはブレーキミスによるオーバースピードですが、それほど飛ばしていなくても起きることがあります。下り坂のため止まれなかったり、砂や濡れた路面などでタイヤが滑ると慌ててしまい、誤った操作で転倒やオーバーランをします。単独の転倒なら擦り傷や打撲で済むこともありますが、ガードレールや対向車に衝突したり、高所から転落すると命を落とすリスクも高まります。


○【スリップで転倒】


男性/39歳

雨の日にブレーキをかけたら前輪ロックで転倒



男性/37歳

雨の日に濡れていたマンホールでスリップ。交差点だったので、後続の車を巻き込みそうになった



女性/30歳

砂利道の上で滑って転んだ



女性/49歳

鉄板の上で滑ってこけて、足がバイクに挟まれて捻挫した



男性/45歳

雨の日に側溝に乗り上げて滑って転倒した


4つのタイヤを持つクルマと違い、バイクでスリップすることは転倒の危険性が高まります。中級者なら後輪が少し滑った程度なら立て直せるかもしれませんが、上手な人でも前輪が滑るとリカバリーは困難です。雨や気温の低い日はもちろん、マンホールや路面ペイント、路肩に浮いた砂、歩道などの段差に浅い角度で乗り上げる際は滑りやすくなります。

○【そのほか】


男性/45歳

歩行者の飛び出しを避けようとして、転倒した



男性/55歳

雨の日に目の前に犬が飛び出してきて、急ブレーキをかけてガードレールの端に突っ込んだ



女性/46歳

横断歩道のない道でおばさんが自転車で飛び出してきた。避けてガードレールに衝突し、足を骨折



男性/40歳

後ろを振り返って同乗者と話をしてたら崖に激突



男性/46歳

前輪の故障による急ブレーキ


交差点やカーブの事故以外にも、見通しの悪い路地では歩行者や自転車との接触事故も発生します。小さな子供や自転車の飛び出しにヒヤリとした方も多いのではないでしょうか? また、前方は見ているものの、疲労などで注意力が低下した「漫然運転」や、脇見による事故も少なくありません。

■事故をしたあと、バイクに対してどう思った?

○Q.事故をしたあと、またバイクに乗りたいと思いましたか?


乗りたいと思った ―――66.8%

事故をした時は乗らないと思ったけど、今は乗っている ―――27.2%

事故以来、バイクには乗っていない ―――6.0%


一般的に「バイクは危険な乗物」というイメージが強いため、多くのライダーはそれを承知で免許を取得しているはずです。多少の危険はあるものの、趣味としての楽しさだけでなく、生活の足としての利便性も考えると、軽微な事故ではバイクを完全に降りるのは難しいかもしれません。

■知り合いの事故の話を聞いて、どう思った?

○Q.友人や知人のライダーで、バイクの事故で大けがをしたり、亡くなった方はいますか?


はい ―――57.5%

いいえ ―――42.5%



○Q.それを知った時、どう思いましたか?


その人の運転に原因があるかもしれないので、特に何も思わなかった ―――6.0%

自分も気をつけようとおもった ―――77.9%

恐くなってバイクに乗るのをやめた ―――6.0%

バイクは降りなかったが、対策をするようになった ―――10.2%


“危なかったけど奇跡的に無傷だった”という武勇伝的なものから、不幸にも命を落としてしまったケースなど、バイク仲間の間では、必ずといっていいほど事故に関する話題があがるものです。9割以上の方は、こういった周囲の話を聞いてバイクの危険性を再認識し、気を引き締めているようです。

■誰でも事故はおこしたくないもの



事故が起きる原因はさまざまです。自分や相手の運転に問題がなく、お互いに安全に気をつかっていたつもりでも、小さなミスが重なって発生することもあります。



仮にバイク側に過失責任がなく、命も落とさず済んだとしても、その後の生活に支障をきたす後遺症を負うケースもあります。こればかりはお金をいくら積まれても元には戻りませんし、もしも相手が任意保険に未加入だった場合、補償問題でトラブルになることも考えられます。



事故がおきる原因は教習所で教わりますが、実際の公道は教科書や教習所のコースよりも複雑な状況がほとんどです。そのため、ほかのライダーの経験なども参考にしつつ、自分なりに事故にあわないためノウハウを得ている方はとても多いようでした。次回は、会員の方々が実践している安全対策について紹介します。


調査時期: 2022年11月10日

調査対象: マイナビニュース会員

調査数: 1010人

調査方法: インターネットログイン式アンケート(フォルサ)