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トヨタ、WRCスウェーデン連覇ならず。ロバンペラとエバンスが入賞しマニュファクチャラー選手権首位守る

2023年02月13日 11:40  AUTOSPORT web

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総合4位入賞を果たしたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
 2月12日(日)、2023年WRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』は競技最終日のSS16~18がスウェーデン北部のウメオを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合4位、チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5位入賞を果たした。

 一方、今大会に自身初のワークスノミネートを受けて参戦した日本人ラリードライバーの勝田貴元とアーロン・ジョンストンのペアは、トヨタGRヤリス・ラリー1にメカニカルトラブルが発生したため最終パワーステージを前にリタイアとなっている。

 9日(木)に開幕したラリー・スウェーデンは12日(日)、大会最終日となるデイ4を迎えた。この日はサービスパークが置かれているウメオの北側と、ウメオ市街地近くの特設ステージで計3本のSSが設定され、合計距離は63.04kmで争われた。

 曇り空のもと、この時期の北欧特有の遅い夜明け前にスタートしたオープニングステージSS16“バスタービック1”は、全長26.48kmの新ステージだ。ここではティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と3位表彰台を争うロバンペラが最速タイムをマークし、3番手につけるライバルとのタイム差を1.1秒に縮めることに成功する。
 
 しかし、ウメオでのサービスを挟んで行なわれたSS16の再走ステージ、SS17“バスタービック2”では3番手タイムとなり、ベストタイムを記録したヌービルにその差を7.1秒に拡げられてしまう。

 最終SS18はボーナスポイントが懸かるパワーステージだ。このSS18“ウメオ2”を3番手タイムで走破したロバンペラは、最終的にヌービルと5.1秒差の総合4位でフィニッシュ。惜しくも表彰台を逃したものの、現王者はドライバーズランキング2位の座を維持し、今戦の勝利で同ランキング首位に浮上したオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)とは3ポイント差につけている。

 前日のデイ3ではクルマに自信が持てず、望むような走りができなかったエバンス。彼はパワーステージに焦点を合わせてデイ4に臨み、同ステージではベストタイムとわずか0.6秒差の2番手タイムを記録した。総合5位でラリーを終えるも、ボーナスポイントの4ポイントを加えて合計14ポイントを獲得し、ドライバー選手権4位の座を守った。
 
 またTOYOTA GAZOO Racing WRTは、ロバンペラとエバンスが獲得したポイントにより、14ポイント差でマニュファクチャラー選手権首位の座を守っている。
 
 デイ2でのデイリタイアから復帰し、デイ3で再出走した勝田は、最終日も好調を維持。パワーステージに焦点を当てながらオープニングのSS16で6番手タイムを、SS17で5番手タイムを記録した。しかしSS17でクルマに発生した問題により、勝田は最終SS18前に無念のリタイアとなってしまった。

■「予想どおり今年は非常に接近した戦いになりそうだ」とラトバラ代表

「残念ながら今日はラリーを走りきることができませんでした」と勝田。

「パワー不足を感じるようになり、エンジニアがクルマのデータをチェックしたところ問題があることがわかったので、ラリーを続けることができなかったのです」と彼は説明した。

 TOYOTA GAZOO Racing WRT初のカスタマードライバーとして、今戦ラリー・スウェーデンで初めてトヨタGRヤリス・ラリー1のステアリングを握ったロレンツォ・ベルテリは、ハイブリッドラリーカーでスノードライブを楽しんだ。プラダの御曹司である彼は幾度となくスノーバンク(雪壁)にクルマをぶつけながらも無事にすべてのステージを走りきり、総合14位でフルスノーラリーをフィニッシュしている。

「スウェーデンは、これまで我々が強かったラリーだっただけに、もっといい結果を得られると思っていた」と、厳しい戦い強いられた今大会を振り返ったヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「初日の路面コンディションは出走順が早かった我々にとって理想的とはいえず、出走順が後方だったライバルに差をつけられてしまい、少し苦戦した。我々も反撃を試み、スピード面に関してはいくつか良い兆候も見えたが、最終的にはあまりうまくいかなかった」

「各チームとも素晴らしい戦いぶりで、予想どおり今年は非常に接近した戦いになりそうだ」

「そんななか、パワーステージの結果によって多くのポイントを獲得し、マニュファクチャラー選手権では首位を守ることができた。また、カッレはドライバー選手権で首位に近い位置につけながらも、次のメキシコでは1番手スタートを免れることができた」

 そのロバンペラは、「かなり困難な週末だったが、最終的にとてもハッピーだ」と週末を振り返り、来月に行われるラリー・メキシコに向けては「フレッシュな気持ちで臨み、良いラリーを戦いたいと思っている」と語った。