2023年シーズンのロードレース世界選手権MotoGPクラスのセパン公式テストが2月10日~12日までの3日間、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われ、LCRホンダ・イデミツで6年目のシーズンを迎える中上貴晶は、3日間で125ラップをこなし、2023年型ホンダRC213Vのシェイクダウンとセットアップを進めた。
中上は、2022年のアラゴンGPで右手の小指と薬指を負傷。すぐに手術をして日本GPに出場したが悪化したため欠場して、最終戦バレンシアGPで復帰を果たすと、後に小指の再腱手術を行い、治療に専念。2023年1月中旬にトレーニングをスタートさせ、今季初テストに向けて体調を整えてきた。
今回のテストは、連日30度を越える猛暑となった。2日目は雨のためにドライコンディションで走れる時間が3時間ほどしかなく、それほど多くの周回をこなせなかったが、マシンのシェイクダウンに加え、ドライ&ウエットでのタイヤテスト、ジオメトリーや車高を変えながらセッティングに取り組むなど多くのメニューをこなした。
3日間総合では、トップから1.646秒差の21番手。2022年のテストに比べて約1秒落ちだったが、2023年型ホンダRC213Vのパフォーマンスの高さを確認する今季初テストとなった。今回はニューマシンと回復したばかりの右手のフィーリングを感じながらの初テストとなったが、3月11日~12日に行われる次回のポルトガルテストからペースを上げていく予定とのこと。
■LCRホンダ・イデミツ
中上貴晶
「今回の3日間のテストでは、多くのパーツを試し、多くの重要なデータを収集することができました。まだやるべきことはありますが、体調もよく、手の調子もいいので満足しています」
「昨日は雨が降っていたので、予定通りにはいきませんでしたが、今日はウエットでもテストできたのでよかったです。最初の2日間は、23年型マシンのジオメトリーやライドハイトのセッティングをいくつか試しました。新しいマシンは昨年と比べて少し変化していますが、それほど大きな変化ではありません。23年型RC213Vのエンジンの第一印象は、22年より少しよくなっています」
「ポルティマオではいろいろなことを試せると思うので、開幕に向けて着実にペースを上げていこうと思っています。今年最初のテストでいつも通りがんばってくれたチームに感謝したいです」