ポルシェ963のカスタマー車両で2023年WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦する予定のハーツ・チーム・JOTAは、元アウディ・モータースポーツ代表のディーター・ガスをチーム代表として迎え入れると発表した。
ガスはこのイギリス籍チームで、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/ウィル・スティーブンス/イーフェイ・イェがドライブする新型LMDh車両、38号車ポルシェ963を監督する立場となる。
ガスは1994年から2001年までアウディでレースエンジニアを務めたのち、トヨタやロータスにおいてF1世界選手権の業務にあたっていた。
2012年にアウディへ戻ったガスは、レース活動の責任者として、WECでの最初の2回のマニュファクチャラータイトル獲得と、ル・マン24時間レースにおける3回の総合優勝の指揮を執った。
アウディではファクトリーDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の取り組みも担当したガスは、その後2017年にウォルフガング・ウルリッヒ博士の後任としてアウディの全モータースポーツ活動の責任者となり、電動レース推進の一環としてフォーミュラEにも参入。DTMのクラス1時代が幕を閉じる2020年末まで、モータースポーツ責任者の職を務めていた。
「WECのハイパーカー・クラスに新規参入するハーツ・チーム・JOTAは、長期的なレースの血統と、新しいファンを選手権にもたらす革新的なアプローチで成り立っている」とガスは述べている。
「レースでの勝利、そしてチャンピオンシップの栄誉に挑戦するチームと、ともに働くことを楽しみにしている」
JOTAは、2023年のWECでポルシェの新型LMDhマシンを走らせるふたつのカスタマーチームのうちのひとつだ。もう1台のカスタマー963はプロトン・コンペティションが走らせる。
ポルシェのカスタマー車両は4月下旬の納入となる予定であることから、両チームのハイパーカークラスへのデビューが正確にいつになるかは、現状不明である。
JOTAは昨年、ダ・コスタ、スティーブンス、ロベルト・ゴンザレスとともにLMP2のタイトルを獲得しており、ハイパーカーへの進出と並行してLMP2カテゴリーでのレースも継続する予定だ。
JOTAの共同オーナーであるデビッド・クラークとサム・ヒグネットは、この新チーム代表就任について次のようにコメントしている。
「ディーターは、豊かな経験と知識をもたらし、ハーツ・チーム・JOTAを今後数年にわたり前進させてくれるものと信じている」
「我々は、ハイパーカークラスにステップアップし、世界最大の自動車メーカーと競争することになる」
「ディーターは、最高レベルの競争力のあるモータースポーツの世界で生きてきており、我々の基礎を築き、耐久レースのトップクラスに我々の歴史的な成功をもたらすために貢献してくれるだろう」