フォードは、1月末に行われたデイトナ24時間レースでのプロトタイプレースにおける将来の可能性に関するコメントから後退し、F1へのコミットメントを発表した一方でLMDhやLMH(ル・マン・ハイパーカー)の取り組みを除外している。
アメリカ・デトロイトの自動車メーカーでグローバル・モータースポーツ・ディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは先月、記者団に対し、トップクラスのプロトタイププログラムについて、LMDhとLMHの両プラットフォームを同等に考慮しながら評価を続けていると語った。しかし、同氏とフォードのジム・ファーリーCEOは、もはやそうではないことをアメリカのクルマ専門メディア『MotorTrend』に示唆している。
この動きは2月3日(金)に、フォードが2026年からレッドブル・グループのハイブリッド・パワートレイン・サプライヤーとしてF1に復帰することが発表されたことを受けてのもの。
ブルーオーバルはその代わりに、新型マスタングGT3および同GT4マシンを中心としたスポーツカーレースへの取り組みと、早ければ来年までにデビューする可能性のある、新型マスタングによるワンメイクシリーズの立ち上げに注力する予定だ。
「マスタングの柱には、草の根からプロフェッショナルまで、あらゆるレベルのスポーツカーレースが含まれる」と、ラッシュブルックはMotorTrendに語った。
「そして我々は市販車ベースでそれを行うことができ、(ロードカー部門とレース部門)双方向の技術移転の恩恵を充分に受け、我々の情熱的なファンとの有意義なつながりを築くことができる」
「IMSAとWEC世界耐久選手権のプロトタイプは電動化の要素を加えるだろうが、我々は技術面でもマーケティング面でも電動化には非常に満足している。プーマ・ラリー1・ハイブリッドでWRCに参戦し、いまではF1にコミットしている」
フォードは、プロトタイプ・プログラムよりも世界最高峰のオープンホイールシリーズへの関与を新たに発表した最新のメーカーとなった。これより前には、アウディがF1参入を優先し、それ以前に発表していたLMDhプロジェクトをシャットダウンしている。
両社で異なるのは、フォードがいかなるコミットメントも行わず、クルマの開発にも着手していなかった一方、アウディはすでにプロトタイプを製造している状態でプログラムを中止した点だ。