ユニクロのグローバルブランドアンバサダーを務め、1月に引退を表明したプロ車いすテニスプレーヤー国枝慎吾が2月7日、ユニクロ有明本部で引退会見を行った。会見には、14年間にわたり交流を続けてきたユニクロの柳井正代表取締役会長兼社長が同席した。
国枝は、9歳の頃に患った脊髄腫瘍の影響で車いすでの生活を余儀なくされたが、母の勧めをきっかけに車いすテニスと出会い、才能を開花。2009年にユニクロ初となるグローバルブランドアンバサダーに就任すると、2021年に東京パラリンピックで金メダルを獲得した。2022年にはウィンブルドン選手権で優勝し、グランドスラム全4大会とオリンピックの完全制覇を意味する「生涯ゴールデンスラム」を達成するなど、数々の功績を残した。
柳井会長は「国枝選手はプロのアスリートとしてやれることは全てやりきった。今日は新しい国枝慎吾が誕生するめでたい日だ」とコメント。「ともに、閉塞状態の日本をより良く変えていきましょう。今後も国枝選手の活動を最大限支援していきたい」とエールを送った。
登壇した国枝は、「ウィンブルドン選手権で優勝して、選手としてはやりきったなと感じた。妻、両親、コーチ、ユニクロをはじめとするスポンサー、応援してくれた人たちなど、支えてくれた全ての人に感謝したい」と笑顔でスピーチ。「最高のテニス人生だった」と現役生活を振り返った。
今後について国枝は、「今言ってしまうと選択肢が限定されてしまうので、現段階では胸に秘めておきたい」としながらも「ぼんやりと何をしたいかが頭に浮かんできた」と話す。「現役時代は車椅子テニスを社会に認知させることにこだわってきた。そこは今後も続けていくと思う」と含みを持たせた。
会見の最後には、14年にわたってグローバルブランドアンバサダー契約を結んできたユニクロから、「“最強”の夢をありがとう」とのメッセージが添えられたケーキが贈られた。
■国枝慎吾:公式サイト