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レッドブル・レーシングのF1車両遍歴。翼を授かった18台+α【F1チーム別歴代マシンギャラリー】

2023年02月06日 14:00  AUTOSPORT web

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2005年よりF1に参戦するレッドブル・レーシングの歴代マシン
 レッドブル・レーシングは、2月3日の日本時間23時よりアメリカ・ニューヨークで2023年型F1マシン『RB19』を披露する。2022年シーズンは全22戦中17勝で他を圧倒。コンストラクターズタイトルと、マックス・フェルスタッペンによるドライバーズタイトル連覇という成績でシーズンを締め括った。2023年も引き続きホンダ・レーシング(HRC)が、レッドブル・パワートレインズに対し、パワーユニット(PU)に関する支援を行うこともあり、2023年シーズンのF1エントリーリストでは、エンジン製造者は『ホンダRBPT』で登録されている。

 ここでは、2005年よりF1に参戦するレッドブル・レーシングが2022年シーズンまでに走らせた過去18台+αのマシンたちを振り返る。

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 ジャガー・レーシングを買収するかたちで誕生した『レッドブル・レーシング』は、2005年1月19日にバルセロナで初テストを実施。新車発表前のため、デイビッド・クルサードとビタントニオ・リウッツィはレッドブルカラーを纏ったジャガー・レーシングの2004年マシン『R5』を走らせた。


 2005年シーズンはV10エンジン規定最終年。レッドブルは同年2月にコスワースの3リッターV10エンジンを搭載する『RB1』を発表。この車両のモノコックを改修し、翌2006年にはスクーデリア・トロロッソの『STR1』が開発される。


 V8エンジン規定となった2006年はフェラーリエンジンを搭載。第7戦モナコGPではスーパーマンとタイアップ。このレースではデイビッド・クルサードが3位に入り、チーム初の表彰台を獲得する。


 エイドリアン・ニューウェイが手がけた2007年の『RB3』。フェラーリとのエンジン契約をトロロッソに譲渡し、ルノーのエンジン『RS27』を獲得。最高位はマーク・ウエバーの3位だったが、コンストラクターズランキングでは5位に浮上した。


 シャークフィンやブリッジウイングが目をひく2008年の『RB4』。最終戦ブラジルGPで引退するデイビッド・クルサードの車両は、ホワイトのスペシャルカラーに。


 2009年の技術レギュレーションはレッドブル・レーシングがトップチームにおどり出る大きなきっかけとなった。『RB5』は通算6勝し、コンストラクターズ2位を獲得。


 2010年は正常進化を遂げた『RB6』でセバスチャン・ベッテルが初のドライバーズタイトルを獲得。レッドブルも初のコンストラクターズタイトルを獲得した。


 2011年からタイヤがピレリのワンメイクに。タイヤは変わるもレッドブルの強さは衰えを見せず、終盤4戦を残し第15戦日本GPでベッテルが2度目のタイトル獲得を決めた。


 引き続きダブルタイトルを決めた2012年だが、同年の『RB8』はフロアやエンジントルクマップなどについて技術違反が疑われことも。ただ、いずれも違法性は認められなかった。


 2013年よりニッサンの海外ブランド『インフィニティ』がタイトルスポンサーに就任。ベッテルとともに4年連続のダブルタイトル獲得を果たす。この年の第2戦マレーシアGPでは『マルチ21』騒動が起き、シーズン末のウエバーのF1引退につながる。


 V6ターボのパワーユニット(PU)が導入された2014年はルノー製PUの信頼性も起因し、メルセデスにタイトルを奪われた。なお、この年よりウエバーに代わりダニエル・リカルドがレギュラードライバーとして加入している。


 ベッテルがフェラーリに移籍し、リカルドとダニール・クビアトのコンビに。ただ、引き続きルノーPUのパフォーマンス不足に悩まされ、2015年は7年ぶりの未勝利のシーズンとなる。


 引き続き、ルノーPUを搭載するが『タグ・ホイヤー』のエンジンバッジネームに。第5戦スペインGPよりクビアトに代わりマックス・フェルスタッペンがトロロッソより昇格。昇格早々のスペインGPで勝利を飾った。


 フェルスタッペンが2勝、リカルドが1勝を挙げるも、メルセデスとフェラーリの牙城を崩すまでには至らず。


 2018年よりアストンマーティンがチームのタイトルスポンサーに就任。シーズン中に翌2019年からのホンダPU搭載を発表し、『RB14』はルノー製PU(タグ・ホイヤー)を搭載した最後の車両となっている。なお、この年より兄弟チームのトロロッソ(現:アルファタウリ)がホンダPU搭載している。


 ホンダのPUを搭載したレッドブルの最初の1台。リカルドが離脱し、ピエール・ガスリーがトロロッソから昇格。しかし、ガスリーはシーズン中盤にアレクサンダー・アルボンとシートを交換することとなり、トロロッソに移籍。ドライバー交代劇があるもコンストラクターズ3位をキープ。


 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けた2020年シーズンにおいて、メルセデスに次ぐコンストラクターズ2位を獲得。同年10月にホンダがF1参戦活動終了を発表したことで、翌年2月にレッドブル・パワートレインズが設立される。


 新型コロナ禍の影響により前年型シャシーの改良型『RB16B』を投入した2021年。フェルスタッペンがルイス・ハミルトン(メルセデス)との死闘を制し、念願のF1ドライバーズタイトルを獲得。この年よりセルジオ・ペレスが加入。コンストラクターズタイトルには届かなかったものの、両名で計11勝をマークした。


 車体レギュレーションの大幅な変更により、40年ぶりにF1にグランドエフェクトカーが登場した2022年シーズンは、全22戦中17勝を挙げて他を圧倒。コンストラクターズタイトルと、マックス・フェルスタッペンによるドライバーズタイトル連覇という最高のかたちで締め括った。


 こちらは番外編。レッドブルがスポンサーとしてF1に参入したのは、ザウバーの株式を取得し、『レッドブル・ザウバー』として戦った1995年まで遡る。その年のマシン、ザウバーC14はフォードZETEC-Rエンジンを搭載していた。