経理の仕事に転職するも、80代の社長夫人にExcelの使用を禁止された50代女性(東京都/年収450万円)。社長夫人の傍若無人な振る舞いは他にもあった。
「社長が保険会社の女性と商談することがわかると、『これだから男はダメなのよ!騙されるわよ!あんな女、帰らせろ!』と、横の応接室にいるのに騒ぎ出し、社長が応接室に向かう前に、『ヤキモチ焼くなよ。帰ったら優しくするから!』と、奥様の胸をモミモミ」
と信じられない光景も目にしてしまう。そんな会社の経営状況はどのようなものだったのだろうか。(文:林加奈)
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「消費税に計上してもらっちゃえばいいのよ!」
やはり経営が厳しかったのか「『お金がないのよ、大変なのよ、うちは』と、輪ゴムを買うにも経営陣4人で言い争い、書類保管ファイルなど購入できないからお中元などのお菓子やビールの箱を切って自作」するほどだった。ところが
「そのわりに社長の誕生日用と思われる高価なホールケーキの領収書やら自分たちの生活用品の領収書、しまいには自販機で1万円ものジュースを買ったという、領収書なしの伝票を回してくる」
「顧客から過入金があったときは『返金するな!あの会社はお金があるのよ。あんたプロでしょ?学校出たのよね?こんなのは消費税とかにして計上してもらっちゃえばいいのよ!プロなんだから、それくらいやれ!』と」
プロだからこそ正確な仕事が求められるはずだが、その会社ではプロ意識で不正をするように指示していたのだ。
「経理の基本ができてない」と退職勧奨を受ける
そんな状態が続き、「やばいな、危険だな。何かあると私のせいにするつもりだ」と感じていた入社から「1ヶ月15日目」。なぜか社長から退職勧奨を受けたという。それから女性の決断は早かった。
「そのままその日で辞めました。退職勧奨の理由が『経理の基本ができてない(笑)』だったので、基礎ができないという理由は納得できないが、この異常なやり方では到底できない。私もプライドがあり、おかしなことはしたくないので、願ったり叶ったりです。『今日で退職で結構ですが、解雇通知と解雇予告手当をください』と話し、辞めました」
女性は入社3日目からその会社がヤバいと察知し、転職活動を始めていた。ほかの社員にも同様にパワハラモラハラが横行していたため「自分の精神が病まないうちに辞められてよかった」と綴っている。
「しばらくトラウマになり、どの会社もこんなんじゃないかと憂鬱でした。でも辞めて正解。あのまま耐えていたら鬱になったと思います。これは事故だと思っています。休養かねて少しのんびりして、最近次の仕事が決まりました」
と転職に成功したことを明かした。なお、1か月半で退職したその会社は「その後求人が出て、一度求人が消えたので誰か入ったのだと思いますが、2か月程度でまた求人が出たので、またすぐに辞めたのだと思います(笑)」と綴っていた。「事故」の犠牲者がこれ以上出ないことを願うばかりだ。