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【漫画】最愛の“毛布”とまさかの同棲生活? SNSで話題のラブコメ『愛にぬくぬく満たされて』があたたかい

2023年02月02日 13:51  リアルサウンド

リアルサウンド

漫画『愛にぬくぬく満たされて』より

 TwitterをはじめとするSNSから漫画のヒット作が生まれることも珍しくなくなり、最近ではプロの読切作品が公開され、誌面だけでは届かなかった読者を魅了することも増えてきた。愛着のある「毛布」をめぐる一風変わったラブコメ『愛にぬくぬく満たされて』は「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)2022年No.07に掲載された作品で、寒い今だからこそ読みたくなる心が温まる内容である。


(参考:漫画『愛にぬくぬく満たされて』を読む


 仕事でなかなか結果が出せない会社員の秀虎。そんな疲れ切った心を癒してくれるのが、幼い時から愛用している毛布だ。今日も仕事でクタクタの秀虎は毛布にくるまり、眠ろうとするが、なにらや身体的な苦しさを覚える。ふと目を開けるとそこには可愛らしい女の子の姿が。状況が飲み込めない秀虎だったが、女の子から「私はこの毛布のつくも神です」と斜め上の自己紹介をされて――。


 作者の蓖楼イチさん(@iti_hiiro)は、ライトノベル原作の作品のコミカライズを担当しているプロの漫画家。ドキドキと不思議な切なさが感じられる本作を描いた経緯など、話を聞いた。(望月悠木)


■ふざけた会話が誕生のキッカケ


――『愛にぬくぬく満たされて』を制作された経緯を教えてください。


蓖楼:私が友人に「布団から出たくない!」「毛布と結婚するんだ!」とふざけて話したことがあるのですが、その友人がこの会話を覚えており、「作品にして!」と言われました(笑)。最初は冗談半分でなんとなく他のネタと一緒に担当編集さんに送ってみたところ、採用されて本作を描くことになりました。


――なるほど、確かに不思議なリアリティがありました(笑)。登場人物はどのように作り上げましたか?


蓖楼:最初は漠然とですが、毛布は男性の設定でした。ただ、担当編集さんとのやり取りする中で、「女の子のほうがいいな」という話になり、“毛布=暖かい、ふわふわ、優しい”とイメージを膨らませて、「それなら相手は疲れている人がいいかな?」というようにキャラクターが徐々に固めていった感じです。


――擬人化した毛布を描くのは大変そうですね。


蓖楼:はい。見た目から毛布要素を入れるのに苦労しました。最初のキャラデザでは、大きめのポンチョを着た女の子にしか見えなかったので(笑)。


■「読者をもっともっと楽しませたい」


――終始穏やかな空気感が流れる作品でした。


蓖楼:空気感ですが、キャラクターの表情やセリフ、コマ割りの間などが影響しているのかなと思います。これは幼い頃に読んできた少女漫画の影響だと思います。


――続編を期待しなくなる内容でしたね。


蓖楼:毛布のほかにもハンカチやブランケットが最後に擬人化して出てくる…という展開もありました。もし続編を作れることがあったらその子たちを出してあげたいです。


――今後の目標など教えてください。


蓖楼:漫画家としてまだ駆け出しの身で、未熟な点が多々あります。勉強しつつ、作品制作のペースを掴めるようにすることが今の目標です。読者の人達にもっともっと楽しんでいただけるように、作品内で推しを作っていただけるように頑張っていきたいと思います。


 また、2022年12月18日からスクウェアエニックス公式アプリ「マンガUP!」で『きみって私のこと好きなんでしょ?』(原作:望公太先生)というラブコメ作品のコミカライズ連載を担当させていただいております。原作のストーリーに添いつつ、漫画ならではのオリジナルエピソードや展開も入れていますので、原作ファンの人もそうでない人もぜひとも楽しんでほしいです。


(望月悠木)