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期待していた「エゴン・シーレ展」が想像を遥かに超えてよかった #トーキョーごきげん倶楽部

2023年02月01日 20:01  isuta

isuta

写真

感染症の拡大から、世界各地への渡航が難しくなったここ数年。ようやく規制が緩和され始め、海外旅行のムードが高まってきました。

よし、そろそろ海外に行けそうだ!そう思いながら飛行機のチケットを調べると、以前よりもグッと料金が高くなっていて「もう少し待とうかな…」と弱気になっている、isutaエディターのmanamiです。

近々行きたいなと思っている国の1つが、ヨーロッパのオーストリア。芸術の街といわれるウィーンには二度訪れたことがあり、久しぶりに足を運びたいと思っている場所でもあります。

そんなウィーンに飢えている私の元へ、ある吉報が。ウィーンで活躍した画家、エゴン・シーレの展覧会が上野の東京都美術館で開催されるというのです…!

今回内覧会のお誘いを受け、彼の作品を堪能してきました。

ウィーンに行きたい…けどまずはエゴン・シーレ展へ

絵画が好きな方にはお馴染みのエゴン・シーレですが、「あまり聞いたことのない名前…」という印象の人もいると思うので、軽くご紹介を。ウィーンを代表する画家といえば、グスタフ・クリムトは有名ですよね。

ざっくりいうと、今回フィーチャーされているエゴン・シーレは、クリムトの後輩にあたります(ざっくりすぎて怒られそう)。

16歳のときには学年最年少の特別扱いでウィーンの美術学校へ入学するという天才っぷりで、その実力はクリムトのお墨付き。

「僕には才能がありますか?」とシーレが尋ねると、クリムトは「才能がある?それどころかありすぎる」と答えたんだとか。

ウィーンのスイーツ

そんな実力派のシーレの作品は、華やかで黄金のイメージが強いクリムトのテイストとはかなり異なります。

ディープでダークな作品が多く描かれていますが、人間味のある彼の絵の数々に、きっと引き込まれてしまうはず。

ちなみに上の写真は、内覧会へ行く前にいただいたウィーンのスイーツ。カフェ文化が栄えているウィーンのお菓子は、どれも絶品…甘いスイーツで満足して、本来の目的を見失いそうになりました。

危ない危ない、ウィーンの街へ思いを馳せつつ、東京都美術館へ向かいます。

30年ぶりにエゴン・シーレの作品が多数来日

エゴン・シーレ展のパネル

今回の展覧会では、30年ぶりにエゴン・シーレの作品50点が集結。

彼の作品を多くコレクションしているウィーンのレオポルド美術館の所蔵作品を中心に、油彩画やドローイングなどが展示されています。

一度レオポルド美術館にも行ったことがあるのですが、「あれ、こんな作品あったっけ?」と改めて気づくものも多く、現地をすでに訪れた人でも楽しめそう。

展示方法やキュレーションの仕方も異なるため、新鮮な気持ちで鑑賞することができました。

エゴン・シーレ展の中の様子

ここまで散々“天才”と紹介してきたシーレですが、28歳でその生涯を終えています。しかも夫婦そろってスペイン風邪に感染し、妊娠中の妻が先に他界、その3日後に彼も亡くなりました。

若いときから人間の内面や性を描き続け、逮捕されて作品を燃やされたこともあったシーレ。本展はそんな彼の激動の人生を、数々の作品を通して辿っていく内容となっています。

エゴン・シーレ展の中の様子

展示されているのは、シーレの作品のみではありません。先ほど触れたクリムトやコロマン・モーザー、オスカー・ココシュカなど、同じ時代を生きた画家たちの作品も来日。

1つひとつ作品をじっくり観て、音声ガイドも聞いて…と回っていくと、かなりのボリュームでした。ほかの画家の人生も詳しく解説されており、その時代の芸術にさらなる興味が湧いてきます。

エゴン・シーレ展の中身をちょっとだけご紹介

ヨーゼフ・マリア・オルブリヒによる「第2回ウィーン分離派展」ポスター

あまりネタバレするのももったいないので、展示の一部だけチラ見せ。

こちらは建築家 ヨーゼフ・マリア・オルブリヒによる「第2回ウィーン分離派展」ポスター。この建物は現在もウィーンに残っており、印象的な黄金色をした月桂樹のドームは、通称“金のキャベツ”として知られていますよ。

グスタフ・クリムトの「シェーンブルン庭園風景」

クリムトといえば金色の作品の印象が強かったのですが、こんな素敵な絵画も残していたんですね。これはシェーンブルン庭園を描いたもの。

水面に映る緑が美しく、観ているうちにどんどん惹き込まれてしまいそうです。

エゴン・シーレの「ほおずきの実のある自画像」

本展のポスターにも採用されている、「ほおずきの実のある自画像」。こちらを見ている目は挑発しているのか、それとも何かに怯えているのか…。

顔には青や赤などの色も用いられ、独特な雰囲気を醸し出しています。この作品だけでも、じっと観ていられそう。

ちょっとディープな世界にハマっちゃうかも

エゴン・シーレ展の中の様子

独特のタッチで、人間の深い部分や生死について描き続けたエゴン・シーレ。彼の作品を観れば、きっと魅了されるはずですよ。

今は東京都美術館ミュージアムショップで関連グッズも販売されているようなので、ぜひそちらもチェックしてみて。

ますます、早くウィーンに行きたくなっちゃった。

レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才 会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36) 会期:1月26日(木)~ 4月9日(日) 休館日:月曜日 開館時間:9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで) 観覧料:一般2200円、大学生・専門学校生1300円、平日限定ペア割3600円 公式サイト:https://www.egonschiele2023.jp/