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人気車で大渋滞? 国産中型SUV5台を徹底比較! 第1回 【エクステリア編】往年のクルマ好きも納得? マツダの新型SUVが1位!

2023年01月30日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
スタイル、燃費、マルチパーパス性などのトータルバランスに優れていて、販売が絶好調であり、自動車メーカー各社が最も激しい戦いを繰り広げているのがミドルサイズSUVの世界だ。最新モデルを含む国産5車種を乗り比べて比較し、独断と偏見で順位をつけてみた。まずはエクステリア編だ。


乗り比べたのはトヨタ自動車「RAV4」(シリーズパラレルハイブリッド)、三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」(プライグインハイブリッド車=PHEV)、日産自動車「エクストレイル」(シリーズハイブリッド=e-POWER)、マツダ「CX-60」(ディーゼルマイルドハイブリッド)、ホンダ「ZR-V」(2モーターハイブリッド=e:HEV)の5車種。なるべく新しいモデルで、なんらかの電動化技術が入ったパワートレインを積むクルマを選んだ。フルモデルチェンジの時期でいえばRAV4だけ少し古いが、いまだに人気モデルなので競争力に不足はないと考えて対象とした。エクステリア、インテリア、走り、総合力の4部門で比べていきたい。



まずはエクステリアから。これはもう個人の趣味、嗜好が影響する部分なので、皆さんいろんなご意見があろうかと思うけれども、筆者としては、クルマに乗り込もうと近づいて行く時、目に入ってくる立ち姿にちょっとドキドキしたり、降りた後に振り返ってみたくなったり、休日にはしっかりと洗車してあげたいなと思えたりするようなクルマが大好きである。念のため愛車遍歴を簡単に申し上げておくと、初めて買ったのは三菱「ランサー・セレステ」であり、その後はホンダ「シビックカントリー」やフォルクスワーゲン「ゴルフ3」などに乗った。現在の愛車はメルセデス・ベンツ「W124」セダンである。

○外観編の第1位はマツダ「CX-60」だ!



そんな考え方のもと、まずイチオシで紹介したいのはマツダ「CX-60」である。



マツダの今後10年を担う「ラージ商品群」の第1弾として登場したCX-60の最大の特徴は、今どき珍しいエンジン縦置き(しかも直列6気筒!)かつFR(フロントエンジン・リアドライブ)ベースのレイアウトを採用している点だ。もうこれを聞いただけで、ちょっと古いクルマを知っている世のオトーさんがたから大歓迎の嵐(?)が巻き起こったのはご存知の通り。


直6を収めるための長いボンネットフードと、後ろ寄りに取り付けられたキャビンで後輪を駆動するというクラシカルなデザインは、猛獣が前足を伸ばし、後足で大地を蹴って進むという同社のデザインフィロソフィー「魂動デザイン」をまさに体現したもので、他とは一線を画した存在感を放っている。


マツダ車といえば「ソウルレッドメタリック」あるいは「マシーングレープレミアム」のイメージだが、CX-60では真っ白に輝く「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」が人気となっている。同社では、引き算の美学や「禅」をイメージさせる白は、金属の緻密な輝度感にこだわったマツダらしい質感表現ができている、としている。

○2位は最新モデル! ホンダ「ZR-V」の魅力とは



「この子は写真写りがあんまりよくないんですよ……」と開発関係者がこぼしていたホンダ「ZR-V」を第2位に推したい。確かに、初めて写真で見た時には、アグレッシブなフロントデザインの割にはボンネット以降のデザインが平凡で、妙な違和感があったものだ。



しかし実車を前にすると、マセラティやメルセデスAMGをイメージさせるような顔つきと、コンパクトで低くまとまったリア部分がちょうどいいバランスを保っていて、とても引き締まった印象を醸し出していた。弟分の「ヴェゼル」とは一味も二味も異なる個性的なデザインだ。ホンダではこれを「異彩解放」と呼んでいて、かなりカッコいいのである。

○3位の「RAV4」はキャラが立っている



オフロードモデルらしいワイルドさを盛り込んで2019年にデビューしたのがRAV4だ。本来ならここには「ハリアー」を入れてもいいのだが、あまりにもわかりやすいカッコよさを追求しているハリアーよりも、筆者の好みはこちら側。試乗したのは「アドベンチャー」グレードのハイブリッドモデルで、新色のアッシュグレーメタリック×グレイッシュブルーの2トーンがよく似合っていた。


このほかにも、アースカラーの外板色を数多く採用している。なんちゃってSUVよりは土の匂いのするクルマの方が好きなユーザーには、きっちりと“刺さる”秀逸なデザインだ。ピカピカに磨いた姿もいいけれど、泥にまみれた姿も絵になりそう。駐車場のホースでじゃぶじゃぶと水をかけたくなってくる。

○4位の「アウトランダーPHEV」はギラついた感じ?



ルノー、日産、三菱自動車のアライアンスのもと、2021年にデビューしたのが「アウトランダーPHEV」である。強烈でギラついた印象の顔(ダイナミックシールド)となったことで、地味な印象だった先代と比べると現代の三菱車らしさがさらに増した。


樹脂フェンダーの採用など、オフロードも得意そうなデザインを加味することで、筋肉質で強そうな印象も高まっている。この雰囲気、好きな人にはアピール抜群な一方で、デザインに癒しやスマートさを求めるオーナーには敬遠されてしまうはず。フロントに力が入っている割には、3列シートを搭載するリア部分のデザイン処理についてはあと一歩という感じだ。

○「エクストレイル」が5位、理由は…



新型エクストレイルのスタイルを見た瞬間、筆者は2010年に登場した電気自動車(EV)の初代「リーフ」を実見した時のことを思い出してしまった。走行面は革新的でとてもすばらしかったのに、あのデザインはいただけなかった。もっと売れてもよかったはずなのに結果が出なかったのは、あのデザインに尽きるのではというのが筆者の結論だ。


エクストレイルについては、特にフロントの2段重ねのライト部分の形状は「なぜ?」の一言。厳しいことをいうようだけれども、強いていえば、あちこちからの要求が錯綜して、どっちを向いていいのかわからないまま世に出てしまった、という形なのではないだろうか。



次回はインテリア編だ。



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)