「星旅少年」などで知られる坂月さかなの作品集「坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル」が、「ボローニャ・ラガッツィ賞 コミックス・ヤングアダルト部門 2023年」の最優秀賞に輝いた。
【大きな画像をもっと見る】「ボローニャ・ラガッツィ賞」は、イタリアのボローニャで毎年開催されている児童書の世界的な見本市、ボローニャ国際児童図書展に合わせて発表されている、優れた児童・青年向け書籍に贈られる賞。受賞した「坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル」には、“ある宇宙”の旅の記憶の物語が、マンガやイラスト、ストーリーを用いて4章にわたって収められており、「星旅少年」とリンクする前日譚的な内容に仕上げられている。審査員コメントは記事下部に記載した。
■ 審査員コメント
不確かな時代を生きる人々の繊細な感情を描くために、SFの表現を用いた坂月さかな氏は、幻想的な物語のニューウェーブの第一線にいる。何と言っても、その繊細さと革新性に驚かされるのは、星々を旅する若者の絶え間ない任務と孤独を描くために、日本マンガと西洋文化の双方の要素を組み合わせる坂月氏の手法である。壮大でありながら身近な親密さをも感じさせる本書は、その物語の驚くべき発想の核心に多様なビジュアルと審美的なテキスト―短篇詩的な文章を伴うフルカラーのイラストや、物語世界を紹介するモノクロームのマンガ短篇集―で繰り返し迫っている。この革新的な作品は、先日、第1巻が刊行された坂月氏のストーリーマンガシリーズ「Star Tripper(原書『星旅少年』)」の始まりを告げるものであり、我々はボローニャ・ラガッツィ賞コミックス・ヤングアダルト部門を授賞することを誇りに思います。
※ボローニャ・ラガッツィ賞 公式サイトより引用(訳:パイ インターナショナル)。