トップへ

Apple新SoC「M2 Max」登場、最大96GBユニファイドメモリ対応 - 「M2 Pro」も

2023年01月18日 01:11  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
米Appleは現地時間1月16日、自社製チップ(SoC) Apple Siliconの新しいラインナップとして、電力効率とパフォーマンスを引き上げた「M2 Pro」と「M2 Max」を発表した。


M2 ProとM2 Maxは、同日発表の新しい「MacBook Pro(14型/16型)」に搭載する。また、新しい「Mac mini」では既存のSoC「M2」(2022年発表)搭載モデルに加え、今回新たに加わった「M2 Pro」搭載モデルも選べるようにする。Appleは「業界をリードするワット当たりの性能により、M2 Maxはプロ向けノートブック用として世界で最もパワフルで電力効率の高いチップ」と説明している。各製品の詳細は、それぞれ別記事で紹介する。


M2 Proは第2世代の5nm(ナノメートル)プロセスで製造。現行M2のアーキテクチャをスケールアップし、400億個のトランジスタを搭載する。最大12コアのCPU、最大19コアのGPUを備え、200GB/sのユニファイドメモリ帯域幅をサポート。最大32GBの高速・低レイテンシなユニファイドメモリを装備している。


M2 Maxは、上記のM2 Proをベースに、670億個のトランジスタと最大38コアのGPUを搭載。M2 Proの2倍となる400GB/sユニファイドメモリ帯域幅をサポートし、最大96GBの高速・低レイテンシなユニファイドメモリを実現した。


どちらのチップも、高速な16コアのNeural Engineや、Appleのパワフルなメディアエンジンなど、従来よりも強化したカスタムテクノロジーを搭載。M2 Proは、Mac mini初のプロ向けのパフォーマンスを実現するほか、M2 ProとM2 MaxはMacBook Pro(14型/16型)のパフォーマンスと能力をさらに進化させるとアピールしている。

○M2 Proは高負荷の作業高速化、“コンソール機並みのゲーム体験”も



M2 Proを構成するトランジスタの数(400億個)は、M2の約2倍にあたり、「M1 Pro」(2021年発表)からは約20%増加。ユニファイドメモリ帯域幅も、M2の2倍にあたる200GB/sまで増強している。



次世代の10コアまたは12コアのCPUは、最大8つの高性能コアと4つの高効率コアで構成しており、M1 Proの10コアCPUよりも最大20%高速なマルチスレッドCPUパフォーマンスを発揮。「Adobe Photoshopのようなアプリで負荷の高いワークロードをこれまで以上に速くこなし、Xcodeでのコンパイルを最速のIntel搭載MacBook Proの最大2.5倍の速度で実行できる」としている。

GPUは、M1 ProのGPUと比べて3つ多い最大19コアで構成でき、より大きなL2キャッシュを装備。グラフィックス速度はM1 Proと比べて最大30%高速になったことにより、画像処理のパフォーマンスが大幅に向上し、「コンソールゲーム機レベルの品質でのゲーム体験を可能にする」という。


○M2 Maxはプロ向けノートPC用として“最もパワフルで効率的”



M2 Maxは、プロ向けノートPC用として「世界で最もパワフルで効率的なチップ」を追求。M2 Maxを構成するトランジスタの数(670億個)は、M2の3倍以上にあたり、M1 Max(2021年発表)よりも100億個増加している。



400GB/sというユニファイドメモリ帯域幅の数値は、M2 Proの2倍、M2比で4倍に相当。最大96GBの高速ユニファイドメモリに対応しており、「巨大なファイルを瞬時に開いて、複数のプロ向けアプリを行き来する作業も驚くほど速く、スムーズにこなせる」とアピールしている。



M2 Maxでは、M2 Proと同じく次世代の12コアCPUを搭載。GPUは最大38コアを搭載してよりパワフルになり、従来よりも大きくなったL2キャッシュも装備する。グラフィックス速度はM1 Max比で最大30%高速化した。



M2 Maxを搭載した新しいMacBook Proは、最大96GBのメモリとあわせて、「競合システムでは実行すらできないような、グラフィックスを駆使したプロジェクトもこなせる」とする。ビジュアルエフェクトの処理から、機械学習モデルのトレーニング、ギガピクセル級の画像の合成まで、電源接続時やバッテリー使用時を問わず「驚異的なパフォーマンスを発揮する」とのこと。


M2 ProとM2 Maxはどちらも、最新のカスタムテクノロジーを採用。Appleの次世代16コアNeural Engineを搭載しており、1秒間に15兆8千億回の演算が可能で、前世代よりも最大40%高速化している。



M2 Proは、ハードウェア上で処理するH.264、HEVC、ProResビデオエンコード/デコードに適したメディアエンジンを搭載し、電力使用量を抑えながら複数の4K/8K ProResビデオストリームを再生できるという。一方、M2 MaxはビデオエンコードエンジンとProResエンジンを各2つ搭載しており、M2 Pro比で最大2倍の速さでビデオエンコードが可能とする。



ほかにも、Appleの最新の画像信号プロセッサはノイズ低減を強化しており、Neural Engineとともにコンピュテーショナルビデオを活用して、カメラの画質を強化。また、次世代のSecure Enclaveはクラス最高のセキュリティの重要な一部として機能する。



なお、macOSの最新バージョン「macOS Ventura」ではSafariやメール、メッセージ、Spotlightといったさまざまな機能が大幅にアップデートされているが、これらはすべてM2 ProとM2 Max上で反応の良さが向上し、効率的に実行できるようになっているとのこと。(庄司亮一)