2023年01月12日 17:21 弁護士ドットコム
アルコール分2%入りのソフトキャンディ「パリピ気分」が、一般のお菓子と同様にコンビニの菓子売り場に並べられているとして話題になっている。
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若者たちの間では「年確(年齢確認)されない酔えるグミ」などとして認知が広まりつつあるといい、アルコールや薬物の依存症の問題に取り組む専門家が注意を促している。
パッケージの裏面には「本製品はアルコール原料を使用していますので、お子様やお酒に弱い方、妊娠・授乳中の方、運転時にはご注意ください」との記載がみられる。グミを食べて運転した場合、飲酒運転になるおそれはあるのだろうか。
道路交通法で規定されている「酒気帯び運転」は「呼気中のアルコールが1L中に0.15mg以上含まれる状態で運転すること」とされている。これは血中アルコール濃度に換算すると、0.3mg/mL(0.03%)にあたるという。
一般的には、厚労省が適量とする飲酒量(アルコール度数5%のビール中瓶500mL1本、日本酒1合など)を飲んだ場合は、酒気帯び運転の基準値とほぼ同じ血中アルコール濃度0.2mg/mL(0.02%)~0.4mg/mL(0.04%)になるといわれている。
これと同じアルコール量(500mL × アルコール度数0.05 × アルコールの比重0.8=純アルコール20g)を度数2%のパリピ気分(1粒5g)で摂取しようとした場合は、約250粒、1kg以上のグミを食べなければならないことになる。
どれぐらいのアルコールを飲めば「呼気中のアルコールが1L中に0.15mg以上含まれる状態」になるのかについては、個人差があるため、一概にいえない。体内に入ったアルコールが分解されるまでにかかる時間も人それぞれのため、摂取してから経過した時間によっても数値は変わるからだ。
つまり、大量にグミを食べなければ問題ないということではない。どのようなアルコール飲料や食品であったとしても、体重、体調や摂取してからの時間などによっては、少量でも酒気帯び運転の基準値をみたす可能性はある。
たとえ基準値をみたさなくても、事故が起きないとはいえない。アサヒビールのHPによれば、血中濃度0.05mg/mLという酒気帯びの6分の1でも、運転するに当たって注意の集中に影響があるとされている。少量でもアルコール摂取によって、必要な判断力や運動能力が低下することもある。
アルコール成分が含まれた飲料や食品との付き合い方には注意が必要だろう。