「相手は小・中・高が一緒の親友でした。30年ぐらい前の話になります」と絶縁エピソードを語ったのは、三重県に住む60代の女性(教育・保育・公務員・農林水産・その他/年収100万円未満)だ。女性とその友人は、「お互いの就職先は違えど、連絡は取り合い、彼氏の相談もし、お互いの結婚式にも行く、そんな仲」だったという。
しかし、女性が親友と距離を取るきっかけになったのは、思いもよらない理由だった。(文:okei)
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「ある日、バラの花を1輪、手に持った彼女が家に訪ねて来ました」
「結婚後、彼女は専業主婦となり、私は看護師として働いていました。お互いに子どもが出来て、子どもたちが小学校に入ると、時々、喫茶店で会ったりして近況報告したりしてました」と振り返る女性。
「私もいけなかったんですが、相手は専業主婦という事もあり、僅かなコーヒー代はいつも奢ってました。いつも、と言ってもそんなに頻回に会うって事も無かったので、これぐらいはええか、て思ってました」
若干の経済的な差があることを気遣っていた様子の女性だが、友人には誤った印象を与えてしまったのかもしれない。後日、思いがけない頼みごとをされてしまう。
「ある日、バラの花を1輪、手に持った彼女が家に訪ねて来ました。『ケーコ、こんにちは』。いつも笑顔の彼女、何かこの日の笑顔がとびっきりの笑顔やったのが忘れられません。家に通し話をしたら、彼女の目的が『子供を中絶する為の借金』でした」
「看護師は高給取り!と思ってたのでしょう。でも私は小さな個人病院に勤めていて、そんな高給取りなんかじゃありません。ましてや、家も建ててローンも抱えていたのに」
驚くことに、夫婦で解決すべき中絶費用の相談をされ戸惑う女性。こんな風に当時の困惑ぶりを綴っている。
「彼女には大手の運送会社に勤めるご主人がいらっしゃいます。2人で相談して中絶を決めたのなら、ご主人のお給料から費用を出せば、簡単な事。何故、私にお金の相談するの!?」
「彼女も家のローンがあり、生活はうちと一緒。1つ違うのは、私は働いていて、彼女は専業主婦で収入がない。やから、借金を申し込んできた!?」
女性は、無下にも出来なかったようで「この時は5万円を渡しました。『必ず返すから』って、そんなん親友でも当たり前の事」と明かした。しかし、いざ返済となると……
「まずは身体の事もあり、2~3か月は様子を見ました。全く音沙汰なし。何度か催促して、やっと返してもらったのが、1年後。もう、諦めてました。手渡しで返してもらい、距離を置こうと思い、連絡を絶ちました」
その後は「年賀状だけの仲」になったという女性。ところが、友人との関係はこれで終わらなかった。さらに歳月が過ぎた頃、決定的な出来事が起こったのだ。(後編へ)