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“着るこたつ”が好調、電気代の高騰を背景に節電対策としても注目

2023年01月06日 12:51  Fashionsnap.com

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 この冬、ワークマンの「着る炬燵」シリーズをはじめ、モバイルバッテリーによるヒーター機能で身体を温める「ヒーターウェア」が好調だ。2022年12月には、ワークマンの「着る炬燵」の売上が前年同月比で180%、「洋服の青山」が展開する「暖ONベスト」などの商品の売上も同500%に伸長した。

 ヒーターウェアは、搭載した発熱体にバッテリーを接続することで、電気の力で身体を温める防寒服。厚手の上着を重ね着することなくスマートなシルエットで暖を取ることができるほか、寒さに合わせて段階的に温度調節できるといった特徴がある。ヒーターウェアの先駆けとも言えるワークマンの「着る炬燵」シリーズは2019年から展開しているが、毎年売上を伸ばしているという。
 気象庁によると、2022年11月は統計開始以来最も平均気温が高く、特に西日本では最も日照時間が長かった。その影響もあり、11月まではワークマン、「洋服の青山」ともにヒーターウェアの売れ行きが思わしくなかったというが、12月に入り気温が下がったことで商況が一転。昨年を大幅に上回るペースで販売点数を伸ばしている。
 燃料価格の高騰などの理由で電気代が値上がりしていることも、ヒーターウェア売上増の一つの要因になっているようだ。付属のモバイルバッテリーをフル充電するのにかかる電気代は、ワークマンの「着る炬燵」が約3.3円、「洋服の青山」の商品が約2円。1ヶ月間毎日充電しても60~100円ほどの消費で済ませられるため、エアコンなどの暖房器具を使うのに比べて電気代を大幅に抑えることができる。ワークマンの担当者は「ヒーターウェアのほか、温かいルームシューズの売れ行きも伸びている。電気代を節約しながら快適に在宅時間を過ごすことができるアイテムの需要が高まっているのを感じる」とコメントしている。
 ワークマンの「着る炬燵」シリーズは現在「期待以上に好調に推移している」と言うが、シーズン前に生産数を確定しているため追加生産は行わない。担当者は「シリーズのコアとなるベスト以外の商品はほぼ完売している状態で、遅くとも1月中旬には全商品完売となる見込み」と話す。「洋服の青山」の該当商品に関しては品薄になっている店舗があるものの、在庫を多めに用意していたため現在のところ売り切れの見込みはないという。「洋服の青山」の担当者は「2022年12月1日に政府から節電要請が出たこともあり、寒さ&節電対策のアイテムとして大きな反響をいただいた。年末年始ではこれまでを上回るペースで売上が伸びており、今後は口コミなどで更に売れ行きが上向くと予想している」と期待を寄せた。

■ワークマン:公式サイト■洋服の青山:公式サイト