キャリコネニュースには、ブラック企業で苦しんだことがある読者からさまざまなエピソードが寄せられている。今回は新潟県の60代男性(企画・マーケティング・経営・管理職/年収550万円)の過酷な体験談を紹介する。(文:コティマム)
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定時になると「退勤スキャンを押し、自席に戻り『従順アピール』」
男性は過去に大手流通業に従事しており、ECサイトを制作していた。当時の会社がブラックだったという。
「残業が10時間を超えて計上できず、定時になると全員が部長の前にある退勤スキャンを押し、自席に戻り『従順アピール』。 異を唱えたベテラン社員もいましたが、仕事が回らないようにダメ出しをされ続け休職。ベテラン社員をつぶした管理職は、見事に昇進し本社へ栄転」
栄転した管理職の後任には、「今どきのデジタルを勉強した若手」が着任。しかし若手社員は管理職とは名ばかりで、実力を生かす機会は与えられなかった様子だ。
「(若手社員から)AIの活用などを提案されても、『あー、それ本社の仕事だから』と全否定し、挙句に『あいつは生意気だ』と言い始める始末」
ミスを業者のせいにして機嫌が良くなる部長「ミスに気づけない、お前らが悪い!」
もちろん、異常な長時間労働など劣悪な労働環境が常態化していたようだ。
「取り引き先を巻き込んで全員で自宅に仕事を持ち帰り、夜の2時から対策ミーティングが開始され、『翌朝部長が出社する時にはすべて完了していて普通』とされていました」
協力業者に対する態度も酷いものだった。
「ECサイトに掲載する写真も、自分たちがミスをしておきながら『自分たちのミスに気づけない、お前ら業者が悪い!』と言い切ると、部長の機嫌がよくなる。生き残りたい社員ほど、業者と弱い立場の社員をダシにする悪循環が日常化」
AIを学んだ若手社員は半年で転職し「脱出」したそうで、男性は当時「うらやましいな、と思っていました」と綴っている。