面接では企業側も見られている。雑な対応をすれば求職者も逃げてしまうだろう。東京都の30代男性(企画・マーケティング・経営・管理職/900万円)は、
「数年前、転職活動を始めた直後に受けたIT企業での面接が衝撃的で忘れられません」
と綴る。(文:草茅葉菜)
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「もう終わった?何か質問が無ければこれで面接は終わりにして良い?」
男性はその会社からオファーのメールを貰い、採用担当者とのやり取りを経て面接会場に赴いた。オフィス内や外観などは非常に洗練されており、案内の女性も「流石という印象」のとてもオシャレな会社だったという。
しかし、面接の定刻になっても面接官は中々現れず、20分が過ぎたあたりで不安に思い一度ミーティングルームから顔を出して様子を伺ってみると、
「通路脇のソファにHPに掲載されていた社長さんが偉そうに座り(実際に偉いのだろうけど)スマホを操作していた」
というのだ。すぐさま声を掛けると「あれ?来てたの?」と面倒くさそうに立ち上がった。そして男性の方へ向かってきつつ
「じゃあ面接やる?志望動機は?てか名前なんだっけ?うち結構しっかり仕事してくれる方じゃないと厳しいよ?」
と矢継ぎ早に話しながら席にふんぞり返っていたという。男性はこの態度に怒りが込み上げてきたものの、必死に抑えて自己紹介と志望動機を話した。その間もスマホに目をやっていた社長から
「もう終わった?何か質問が無ければこれで面接は終わりにして良い?」
と驚きの発言が飛び出した。男性は意を決して「〇〇社長は面接の際は常にこの様な形式なんでしょうか」と質問したところ、更に態度が悪化して
「君ね、こっちはわざわざ面接の時間割いてるんだよ?もっとビジネスの質問ないの?もう時間の無駄だから帰ってもらって結構ですよ?」
とキレられてしまったという。男性は追いやられる様に、オフィスから退出させられてしまった。後日合否結果のメールが届き、何故か一次面接を通過したようだったが
「時間の無駄だと思い、即ゴミ箱行きにしました」
と合理的な判断を下したようだ。男性は
「無駄な時間を過ごしたのは私も同様だし、転職活動に若干のトラウマを残した体験でしたが、今では面接をする側にもなっているため、縁のあるなしに関わらず面接に来る方には丁寧にを心掛ける良い経験でもあったかもしれません」
とこの経験を反面教師にしていることを綴った。