トップへ

なにわ男子、2022年の大躍進からさらなる高みへ デビュー~『紅白』初出場までを振り返る

2022年12月30日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

なにわ男子

 2022年のなにわ男子は、非常に存在感を放っていた。ジャニーズのファンはもちろん、ジャニーズをあまり知らない人にも、なにわ男子という7人組アイドルグループの存在は、今や広く知れ渡っているように思う。歌番組やバラエティ、ドラマやCMなど、特にテレビを通じて活躍の場を広げてきたのが、なにわ男子躍進の特徴だ。その戦略は極めてジャニーズ的王道路線と言え、彼らに寄せられる期待の大きさが感じられる。そんななにわ男子の2022年を、いくつかの角度から振り返りたい。


(関連:なにわ男子、2019年の関ジャニ∞との『紅白』は「瞬間的に終わった」 2022年の振り返り&初出場への意気込みも


 まず、今年リリースしたCDを振り返ってみよう。2021年11月のデビューシングル『初心LOVE』が、日本レコード協会が認定するトリプル・プラチナを記録して以降、2022年は2ndシングル『The Answer / サチアレ』、3rdシングル『ハッピーサプライズ』と2作ともダブル・プラチナを達成している(※1)。また、7月に発売された待望の1stアルバム『1st Love』も、トリプル・プラチナを達成。この数字は、過去のジャニーズにおけるデビューアルバムでもトップクラスの売上を誇る。シングルにおいても、デビュー以降はゴールド(10万枚)からプラチナ(25万枚)の売上が続くことが多い中、確実に50万枚以上を記録し、なにわ男子の地力の強さを見せた。


 特に、道枝駿佑主演のドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)主題歌となった「The Answer」では、デビュー曲「初心LOVE」とはガラリと印象を変えた。7人のエネルギッシュなダンスと、高橋恭平が間奏で見せるセクシーな表情と声、大橋和也の切り裂くようなハイトーンボイスが印象的で、世界観のある楽曲で新たな一面を見せた。


 2022年のなにわ男子と言えば、前述のように何といってもテレビ出演が圧倒的に多かったことが挙げられる。『まだアプデしてないの?』(テレビ朝日系)といったレギュラー番組や、毎週金曜にレギュラーコーナーを務める『めざましテレビ』(フジテレビ系)など、デビュー前より続いている番組出演も健在だ。また、先に挙げた道枝だけでなく、西畑大吾、大西流星、長尾謙杜らのドラマ出演や、各個人のバラエティ出演も目立った。今年は特に、野球好きで知られる藤原丈一郎が熱狂的に応援するオリックス・バファローズが26年ぶりのプロ野球日本一に輝いたことで、さらに注目も集まった。


 また、中でも印象的だったのは、7人全員によるCM出演だ。デビュー前からCM出演しているSoftbankでは、「なにわ男子、超接近。」シリーズのCMと合わせてオリジナルAR・VRコンテンツが展開されたことも話題を呼んだ。ローソンからは「ローソン×なにわ男子キャンペーン」「なにわ男子×ウチカフェ ウチカフェで、ハピろー!」「なにわ男子とハピろー!クリスマスキャンペーン」と継続してキャンペーンが展開され、コンビニ店舗にもメンバー全員のビジュアルが並ぶなど、すっかりローソンの顔として定着している。そして11月から関東エリアで放送スタートしたサンスター「Ora2 me」と、これらすべて7人全員が出演するCMだ。


 特筆すべきは、7人揃ったときの影響力だ。例えば、ローソンのクリスマスキャンペーンのYouTube動画は、11月10日の公開から約1カ月半となる現時点で1600万回を超える再生数を記録している。やはりなにわ男子7人が1つのビジュアルに収まったときの華やかさ、圧倒的なかわいらしさは、広告としても絶大な効果があると言えるだろう。


 そしてなにわ男子の2022年を語る上で外すことができないのが、デビュー後初となるコンサートツアー『なにわ男子 Debut Tour 2022 1st Love』だ。途中、大橋と長尾のコロナウイルス感染で一部振替公演となったが、9都市39公演というデビューコンサートとしては近年最大規模となるアリーナツアーを走り切った。また、ツアーの裏側として『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME Season5』(フジテレビ系)も全4回に渡って放送された。その舞台裏からは、多忙さや想定外の事態に見舞われながら、懸命に自分たちにしかできないエンターテインメントを作り上げようとする強い意志を感じた。


 なにわ男子は、7人が関西ジャニーズJr.として同時期に活動してきたこともあり、特有の結束力を持っていた。それぞれの年齢やキャリアから、グループ内で自然と役割分担ができていた部分もあったかもしれない。なにわ男子としてデビューという目標を果たし、個人の仕事も大きく増える中で、グループとして何ができるか、どこを目指すか、ということを問われた1年だったように思う。


 しかしこのツアーの密着を通じて、次のステップとして一人ひとりがグループに何か還元していきたいという思いが伝わってきた。多くのテレビ番組出演も、丁寧なコンサート作りも、なにわ男子を大きくしたいという気持ちで一貫しており、2022年はそれを着実にこなしてきた1年だった。特に、高橋、道枝、長尾のいわゆる年下組からは、これからグループに貢献したいという強い意欲を感じ、それはきっとグループとしての層の厚さにつながるだろう。彼らはあくまでその先の、より大きな自分たちを想像しているようにも見える。その意味で、2022年は彼らにとって、あくまで通過点だったように思う。


 今年最後の大仕事として、なにわ男子は大晦日の『第73回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。歌唱曲は「初心LOVE」を予定しており、なにわ男子の絶対的魅力を多くの視聴者に見せつけ、彼らの存在感がまた一段と増すに違いない。しかし、1回の出場で満足するのではなく、これを継続していくことに彼らのモチベーションはあるだろう。彼らの視点は、2023年以降のその先、アイドルとしての圧倒的高みにあるはずだ。(ジャニヲタおじさん)


※1:https://www.riaj.or.jp/f/data/cert/gd.html