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レクサスの新型「RX」は選べる3タイプ! どう違う?

2022年12月27日 11:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
レクサスの新型「RX」はパワートレイン(走り方)に3つのタイプがある。プラグインハイブリッド車(PHEV)、ターボエンジンと組み合わせたハイブリッド車(HV)、ガソリンターボエンジン搭載車の3つだが、各タイプの個性とは? すべてに乗って話を聞いてきた。


○走って楽しいクルマを目指す



RXは1998年に北米で初代がデビュー。今回の新型で5世代目となる。2022年9月末までに約95の国と地域で累計約362万台を販売したレクサスの最量販車種だ。


新型RXには3つのパワートレインがある。各グレードの詳細は以下の通り。


今回は富士スピードウェイ周辺で新型RXに試乗することができた。まずはPHEVの「RX450h+ “version L”」だ。



PHEVは外部から充電ができるハイブリッド車だから、バッテリー×モーターで電気自動車(EV)のようにも走れるし、電気がなくなれば普通のHVのようにも走れる。新型RXはフル充電で86kmのEV走行が可能だというから、自宅で充電できて主な用途が通勤・買い物くらいというユーザーであれば、ほとんどガソリンを使わずに運用することもできそうだ。


走行モードは「EVモード」「オートEV・HVモード」「HVモード」「セルフチャージモード」から選べる。ナビに目的地を入れた状態でオートにすると、駆動用電池の残量や道路の特性に応じてEV走行とHV走行を切り替える「先読みエコドライブ」という機能が有効になる。


試乗はオートモードで行ったのだが、走り出しからとにかく静かで、グッとアクセルペダルを踏めばエンジンがかかるものの大してうるさくもなく、乗り心地はしっとり、どっしりとしていて、いかにも高級車に乗っているなといった雰囲気。RXの大野貴明チーフエンジニアはPHEVについて、「走り出しでアクセルを踏んでいったとき、遅れなく、踏んだとおりに動き出すのが特徴です。踏み増していっても、ドライバーが走って欲しいと思うスピードで走らせることができます。EV走行も楽しみつつ、もう少し走りたいときにはHV走行があり、300馬力以上のパフォーマンスを発揮しますので、2面性を持ったクルマです。操る喜びがありながら、床下にバッテリーを積んでいる分、質感が高くどっしりとした走りも特徴となります」と話していた。

次に乗ったのは2.4Lガソリンターボエンジンの「RX350」。グレードは「version L」だ。


電動化技術なしの純粋なガソリンエンジン車なので、さすがに力不足だったりするのかと思いきや、乗ってみた印象としてはそうでもなかった。富士スピードウェイから山中湖の方へ向かうため、ワインディングの山道を走行してみたのだが、大きなクルマなのに軽やかにカーブを曲がっていく様子には驚いた。PHEVから乗り換えたから、余計に車体の軽さが感じられたのかもしれない。


最後は2.4LガソリンターボエンジンのHV「RX500h “F SPORT Performance”」に乗った。


ターボエンジンとモーターが力を合わせてくれるので当たり前かもしれないが、3タイプのうちではRX500hが最も速かった。とにかく加速がいい。アクセルを踏み込んだ時、ターボエンジンの過給遅れを前後のモーターがアシストしてくれるので、加速の立ち上がりが早く、ダイレクト感のある走りを実現できているそうだ。


ちなみに、2.4Lターボエンジン、モーター、バッテリー、6速AT、リアにeアクセルを組み合わせるRX500hのパワートレインは、トヨタ「クラウン」の「デュアルブースト」と基本的には同じ構成だ。ただし、RXはクラウンより車重が重かったりもするので、バッテリー容量を多めにしたり、エンジンのトルクを上げたり、リアモーターの出力を向上させたりといった独自の調整が施してあるという。質量に応じ、より力強いクルマとして開発したとのことだ。


3タイプから選べる新型RXだが、大野チーフエンジニアは「レクサスが追求する操る楽しさについては1本の筋を通しつつ、パワートレインごとに特性もあるので、その基本的な筋の上にそれぞれの良さを付加して特徴を出す」という考えで開発に取り組んだそう。乗ってみても三者三様だったので、最も高価なグレードが購入者にとって最良の選択になるとは限らない。



一般道でも軽くステアリングのアシストをしてくれたり、前のクルマの減速に応じて速度を落としてくれたりする「プロアクティブドライビングアシスト」を含む予防安全技術「Lexus Safety System +」、乗り込んだらすぐに足元が暖かくなる「輻射ヒーター」、ほぼ自動駐車の「アドバンストパーク」などなど、おもてなし機能も満載のRX。完成度が高いからなのだろうか、3種類を連続で試乗した計5時間近くの取材でもそこまで疲れなかった。(藤田真吾)