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約2万円のおせち「ほぼ強制的」に会社から購入、どこからが違法のライン?

2022年12月26日 10:11  弁護士ドットコム

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お正月といえばおせち。手作りする人もいればお店で買う人もいると思いますが、「ほぼ強制的におせちを会社から購入しなければなりません」という相談が弁護士ドットコムに寄せられています。


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相談者は飲食関係の会社に勤めており、毎年、年末になると、会社で約2万円のおせちをほぼ強制的に購入しなければなりません。絶対購入しなければならないルールなどはないものの、断るにも周りが皆購入しているため断りづらいようです。



購入を断ったことで不当な扱いを受けたというのは聞いたことがないものの、「購入しないからといって会社から、不当な扱いをされたら…。なんて、考えると買わざるを得ません」と話す相談者。こうした場合、違法性はあるのでしょうか。西山良紀弁護士に聞きました。



●強制的に購入させられたのであれば違法

——自分の職場や営業先の関係で、商品を自腹購入する人もまだまだ多いのかもしれません。



数年前に恵方巻の自腹購入が社会問題になったこともあり、従業員に自腹購入する義務はないということを知っている人も多いのではないかと思います。それでも、周りのみんなが購入しているのに自分だけ購入を断るのはなかなか難しいですよね。



まず、従業員が自分の意思で購入したのであれば違法ではありませんが、強制的に購入させられたのであれば違法になります。



——どこからが「強制的に購入させられた」となりますか?



どこまでが自分の意思による購入で、どこからが会社に強制された購入なのか?違法か否かの境目は事案ごとに判断せざるを得ず、「どの事案でも当てはまるような境目はここです」と断言はできません。



ただし、購入を拒絶したら何らかのペナルティが課せられる場合や、販売ノルマが達成できないときに自腹購入を求められたり・給与を減額されたりする場合には違法となる可能性が高いことは間違いありません。



相談者のケースについて、断りづらいという状況はよくわかるのですが「絶対購入しなければならないルールなどはない」「購入を断ったことで不当な扱いを受けたというのは聞いたことがない」などと記載されている事実からすると、従業員に強制的に自腹購入させているとまでは言い切れず違法とは言えない可能性が高いと思います。



今年も金券ショップにたくさんの年賀状が並んでいるのを見ました。今後、自爆営業の強要を許さないという意識がもっと社会的に広まり、自爆営業を要求できない環境になってほしいと切に思います。




【取材協力弁護士】
西山 良紀(にしやま・よしのり)弁護士
兵庫県弁護士会所属。
離婚・男女問題、遺産相続、労働問題、債権回収などを多く扱う。
昼食の大半はラーメン。鶏がら・豚骨から出汁をとってラーメンを自作することもある。独立する際に、前所属事務所からもらった餞別は寸胴鍋とオリジナルラーメン鉢。
事務所名:リライト神戸法律事務所
事務所URL:http://relight-kobe.jp/