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下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
重さを引き受ける
今週のおひつじ座は、「何者かであろう」としてしまう不幸を肯定していこうとするような星回り。
ミラン・クンデラの小説『存在の耐えられない軽さ』はタイトルが示す通り、私たちが「かけがえのない誰か」になることがいかに重く、苦しく面倒なことかを読者に問いかけていきます。
人間はあらゆることに飽きてしまうし、永遠に「満たされる」ということを知らない存在。とはいえ、たとえ不幸だとしても「かけがえのない存在」を選んでしまう人間を、作者は決して笑わないでしょう。
あなたもまた、恋愛であれ仕事であれ、面倒や葛藤をあえてみずから抱え込んでみるのも悪くないのではないでしょうか。
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外から内へ
今週のおうし座は、逆説的に浮かび上がってくる“なまなましさ”を大事にしていこうとするような星回り。
『ガラス戸の遠き夜火事に触れにけり』(村上鞆彦)という句のごとし。闇の中に見えるのは小さな赤い炎だけ、その姿は荘厳な美しささえ感じられる。それが作者なりの対象とのとり方なのであり、少なくともここでは“この世”はそのようなものとしてあるのです。
掲句においても、頭で受けとる情報としての火事に反して、なまなましい現実はガラス戸の内側にしかありえないという事実を、作者は淡々と、それでいてどこか悲しげに表現してみせたのではないでしょうか。
あなたもまた、そんな作者と同様、いま自身の手で触れえる「あるもの」のありがたみがフッと湧いてくることがあるかも知れません。
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時間感覚の切り替え
今週のふたご座は、つくりものとしての感覚をいっそ溶かしていこうとするような星回り。
『年年歳歳花相似たり/歳歳年年人同じからず』という劉延芝の詩のごとし。
「時間」は事実というより感覚であり、“つくられたもの”である以上、心身の在り様や環境を変えてみることで“そうじゃない”時間感覚へと切り替えていくだってできるのです。
あなたもまた、そんな「時間の相対化」ということが一つのテーマになっていくでしょう。
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生きた証しとその基準
今週のかに座は、書かれた記録と書かれなかった記憶とをよりあわせていくような星回り。
『ふたり四人そしてひとりの葱刻む』(西村和子)という句のごとし。掲句では「ふたり」から間髪おかずに「四人」になっている一方で、「四人」から「ひとり」の間には「そして」という接続詞が入れられていることに気付きます。
事実、彼女の夫は60歳で亡くなっており、あまりゆっくり過ごせた「ふたり」の時間はなかった。その空白をあえて表すための「そして」だったのかも知れません。
あなたもまた、自分や自分と同世代の人たちなら、いずれどんな風に人生を振り返るだろうか、などどと思いを巡らせてみるといいでしょう。
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風にまみれる
今週のしし座は、現代人としての自分らしさをひとつ放棄していこうとするような星回り。
20世紀を代表する思想家シオランは、現代の哲学者は仕事机や書斎で哲学したのに対して、古代の哲学者は庭園や市場、あるいはどこかその辺をほっつき歩きながら哲学したものだと想起していました。
書斎や読書で哲学が可能なのは、電気が発明され普及していったためであり、それが「哲学する」ということをより“勤勉”にし、そこで増しに増した生産性の分だけ「霊感」からは遠ざかったのだとも言えるのではないでしょうか。
今週は、古代の哲学者たちになりきって、「霊感が水平にやってくること」、「思想の来るのを待」つことに徹してみるといいかも知れません。
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生きものとしてのゆかしさ
今週のおとめ座は、形骸化したやり取りの中身を取り戻していこうとするような星回り。
『飲めば生き飲まねば死すと寒見舞』(福田甲士雄)という句のごとし。掲句は余計な遠慮や気遣いのない、年来の友人からの寒見舞をうけての一句なのでしょう。
人間関係が希薄化した現代社会や、通り一ぺんのやり取りに終始するこの季節だからこそ、こうした味のある交流の貴重さが際立ってくるはず。
あなたもまた、ここぞという時には、いつもより一歩踏み込んだやり取りを交わしていくべし。
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こちら愛、応答せよ
今週のてんびん座は、日和見主義にならない仕方で平和志向を実践していこうとするような星回り。
聖書によれば、悪徳に陥ったとされるソドムの街を、住人もろとも破壊しようとした神の採決に戸惑った長老アブラハムは、そこに正義を見出せなかったゆえに、「主の前に立った」と伝えられています。
アブラハムは権威たる神に哀願しつつも、同時に不平を言い、疑問を投げかけ、批判をし、忍耐強く食い下がりました。つまり、自分で考えたことを賢明に語りかけたのであって、それゆえに神は「アブラハムのことを重んじた」(19章29節)のではないでしょうか。
あなたもまた、本当に必要なときはアブラハムのように黙って受け入れる以外の言動に出ていくことができるかがテーマとなっていくでしょう。
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心残りと向きあう
今週のさそり座は、忘れようにも忘れきれない何かを見つめていくような星回り。
『杯(さかずき)にうつらぬ心年忘(としわすれ)』(星野高士)は、忘年会の一コマを描いたみせた一句。どうやら、座の盛り上がりとは裏腹に、作者のこころは愁いに沈んでいるらしい。
場の雰囲気にのってあっさり忘れようとしてもそうできずにひとり取り残され、どうしたって引きずられてしまう心残りがあることが分かってしまう方が、よほど人間らしいのでは。
あなたもまた、捨てきれないもの明らかにするべく一つの区切りをつけてみるといいだろう。
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Don’t think! FEEL.
今週のいて座は、自分が自動機械ではない実感をあらためて積み重ねていこうとするような星回り。
哲学者アンリ・ベルクソンは1912年の講演の中で、「われわれの一人ひとりは一つの身体である」と認める一方で、「私」とは「空間においても時間においても身体を超えるように見える」ものであると述べています。
スポーツは、まばたきする間に消えてしまうような、生命における特別な現れ、あるいは人生の特別な瞬間のイメージを私たちに与えてくれるがゆえに感動的なのであり、それは私たちに「自分は単なる自動機械ではない」ということを思い出させてくれているのではないでしょうか。
あなたもまた、「より以上」を引き出すものとして身体やその遊戯の可能性を、少しでも実感していきたいところです。
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間と響きを整える
今週のやぎ座は、どこか懐かしく、小気味いい響きを取り入れていくような星回り。
『数へ日のどこに床屋を入れようか』(仁平勝)という句のごとし。
「床屋を入れる」というくだけた言い方がじつに小気味がいい。何かにつけ回りくどくなりがちな言葉のまとまりを、あっさりと言い下してくれているところなどは、まさに伸びきった髪にスパっとはさみを入れてもらうようです。
あなたもまた、掲句に詠まれたような「床屋」のような場に、みずから足を運んでみるといいでしょう。
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日暮らし硯に向かいて
今週のみずがめ座は、今ここに在ることができる不思議に感じ入りつつ、自分にできることに手をつけていくような星回り。
今年も一年、なんとか無事に終わることができたとホッとしている人も多いかと思いますが、倫理学者の竹内整一はそうした生きて在ることの「ありがたき不思議」の感覚を、例えば『徒然草』を書いた吉田兼好の死生観のうちに見出し、著書につづっています。
兼好が「今・ここ」の積極的な肯定を「モチベーション」などいかにも他人事然とした白々しい言い方ではなく、あえて力みの抜けた「つれづれ」という言葉で表わしてみせた姿勢は、年末年始のような区切り目にこそ思い出しておきたいものです。
あなたもまた、「つれづれなるままに」筆を取るなり、誰かへのプレゼントを選ぶなり、手料理を振る舞うなりしてみるといいかも知れません。
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奇妙でいびつなものたちのために
今週のうお座は、心地よい設えへとするりとこころをすべり込ませていくような星回り。
『寒き電線絡み入るスナック純』(坊城俊樹)という句のごとし。
言葉のリズムも五・七・五からは大きく外れ、決してきれいな流れには収まっていない。ただそれは、きれいごとでは済ますことができないからこそ場末の盛り場へ飲みにやってくる人間たちにとっては、むしろ心地いい設えにもなっているのではないでしょうか。
あなたもまた、そんな作者にとっての「スナック純」のごとく、妙に心地よく、愛着さえ感じてしまう奇妙でいびつなものたちに、ゆっくり心ゆくまで浸ってみるべし。
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