メリークリスマス! カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。明日12月25日は言わずと知れた「クリスマス」、その前日である本日12月24日は「クリスマスイブ」。クリスマスソングやイルミネーションで気分が高まるように、読めばたちまちクリスマスムードが盛り上がるマンガをご紹介します。
【大きな画像をもっと見る】文・構成 / コミックナタリー編集部
■ 坂田靖子「クリスマス配達員」(河出書房新社)
□ おもちゃ屋のプレゼント配達員から見る、日本のクリスマスイブの風景
おもちゃ屋のアルバイトとして、サンタの格好をしてクリスマスのプレゼントを配達する青年。赤い服と付け髭はしているけれど、どうにもサンタというには自分は痩せすぎているのでは……と思わずにいられない。けれど雇い主は「まあこんなもんだね」「どのみちトナカイで空飛ぶわけにいかないんだから」とドライな返答。「わりとあっけないもんだな」などと思いつつ、配達でいろんな家庭を訪ねて回ると、クリスマスの過ごし方も人それぞれなのが見えてくる。大人なのにサンタの配達を頼んでキャーキャー喜ぶ女性たち、「パパ ママ 結婚15周年オメデトウ」とサプライズで親にプレゼントを贈る子供たち。夢のないことを言っていた雇い主も「本当にこのオッサンがプレゼント配って歩いてくれたらうれしいだろうなあ……」と、サンタ人形をジッと見つめる。ありふれたクリスマスイブの日常風景だけれども、実は……!? 作者の坂田靖子は大のクリスマス好きで知られ「坂田靖子のクリスマス★マニア!」という、これまでに描いたクリスマスの物語だけを集めた選集が発売されており、もちろんこの「クリスマス配達員」も同書に収録されている。
「坂田靖子のクリスマス★マニア!」 - 河出書房新社■ 天野こずえ「小さな聖夜」(マッグガーデン)
□ クリスマス・イブなんて自分には無関係、そう思っていたノラネコに奇跡が
12月24日の夜、黒猫のグリムは迷子の子猫・アリアと出会う。兄弟のような存在だと信じていた少年に捨てられた過去を持つグリムは、家に戻ることなど考えず自分と一緒に暮らそうとアリアに提案するが、アリアはきっと飼い主が迎えに来てくれると言って聞かない。そんな中でアリアが保健所に捕まってしまい……!? クリスマス・イブなんて自分には関係ない“人間のばかげたお祭り”と冷めた態度を取っていたノラネコが、聖なる夜に奇跡を体験する物語「小さな聖夜」は、短編集「夢空界」に収録。同短編集は長らく入手困難な状況となっていたが、2023年3月に電子書籍化されることが決定している。
「天野こずえ短編集」電子化情報 - MAGCOMI■ 魔夜峰央「眠らないイヴ」(竹書房)
□ 美少年サンタと聖夜の不思議なお話、そこにあの人騒がせな「殿下」が登場?
サンタクロースの孫である美少年・イヴが困っている人に救いの手を差し伸べる、聖なる夜の不思議なお話を描いた4コマ作品「眠らないイヴ」。病気の手術を明日に控えた少女、親友の妹を好きになってしまったが彼女が愛しているのは実の兄という複雑な恋に悩む青年、頭の輪っかをなくしてしまいこのままでは天界に帰れなくなってしまう天使、宇宙からやって来たロボットなど、イヴの前に現れる相手はさまざまだが、「EVE.13」には魔夜峰央の別作品からとあるキャラクターがゲスト出演している。その物語は、「どこかの国の国王様」が北極で迷子になっているところイヴと出会い、ブラックサンタ軍団に襲撃されたホワイトサンタ一族を助けるという内容。さてその国王とは……?
「眠らないイヴ」 - 竹書房