トップへ

ドラマ『silent』で欠かせない“手話”、実は日本の手話は世界では通じない独自の“言語”だった

2022年12月22日 19:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

写真はイメージです

 日常の気になる疑問を解決!手話は国や地域によって異なるのか?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q. 手話は国や地域によって違いがあるの?

A. 世界共通ではなく、国や住んでいる地域によっても違います。方言もあります。(関西学院大学手話言語研究センター 研究特別任期制助教 前川和美さん)

 とにかく泣けると話題のドラマ『silent』(フジテレビ系)。主演の川口春奈演じる青羽紬(つむぎ)と、病気を患い耳が聞こえなくなった目黒蓮演じる佐倉想が再会を果たすラブストーリーだが、ドラマのなかで外せない要素が「手話」だ。

 ところで、手話は国や地域によって違いがあるのだろうか。自身もろう者で、手話の研究や講演をされている関西学院大学手話言語研究センターの前川和美さんに話を聞いた。

「手話はいわゆる音声言語と同じで、世界共通ではありません。また、方言のようなものもあります。住んでいる地域によって手話の表現も異なってくるんです」

 手話にも方言があるとは驚き。さらに、世代によっても使う手話は異なるという。どうして違いが生まれるのか。

「地域が持っている文化の違いも手話に影響しますが、耳の聞こえないろうの子どもたちが通う、ろう学校も関係があります。例えば、手話のできる北海道の教員が他府県に赴任すると、北海道で使われている手話を、違う県の子どもたちが覚えることになります。子どもたちは、先生や先輩の影響を受けて手話を獲得していくので、そういった環境によって手話が違ってくるのです」

 また、世代による違いとしては若者言葉の手話があげられるという。若い人たちの間で使われている「なう」や「パリピ」という言葉は、手話でも表現できるというが、はたして中高年のろう者にどこまで通じるか。世代間で言葉のギャップが生まれるのは、手話も音声言語も同じなのだ。