「管理栄養士です。フルタイムで働き、職務手当を入れて手取り14万円です。やりがいはありますが、やりがい搾取とも感じています」
こんな切実な思いをキャリコネニュースに寄せたのは、富山県の30代前半の女性(正社員・職員/既婚/子ども1人)。女性は、
「介護や保育業界の所得改善に、ベースアップ加算や処遇改善加算などが新設されましたが、配布の範囲は法人ごとに決められるため、栄養士まで配布されず取り残されています。『このまま栄養士は低所得で世の中に取り残されていく業種になってしまうのか……』と不安視しています」
と管理栄養士の未来を憂いた。引き続き、この女性の投稿を紹介する。(文:福岡ちはや)
※キャリコネニュースでは「手取り20万円以下の人」にアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/94ZJP3D8
「低収入で家庭を犠牲にしながら働くことに疑問」
女性が管理栄養士の資格を取ったのは、「学校給食から終末期まで、幅広い段階で関わることができ、職も失いにくい」と考えたからだ。たしかに、国家資格である以上そういった一面はあるのだろうが、
「正直、収入は低すぎると思います。地方では結婚し、パートナーの収入がないと生活できないレベルだと思います」
と訴えたくなるほどに給与が低い。これは女性にとって誤算だっただろう。幸い女性は結婚しているため生活はできているが、その生活はいろいろな意味で“カツカツ”だ。
「フルタイムで就業後はワンオペで夕飯作り、子育て。家事をこなすのに精一杯で、『今日も子どもと向き合えなかった』と反省しながら眠りにつきます。最近は低収入で家庭を犠牲にしながら働くことに疑問を持っています」
一児の母として、複雑な胸中を吐露した女性。管理栄養士に限らず、どのような仕事であっても、“やりがい搾取”と感じずに済むだけの賃金を得られるような世の中になってほしいものだ。