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堂本剛、人との対話やキャリアを重ねてきたからこそのトーク力 『上田と女が吠える夜』SP出演を前に考える

2022年12月20日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

堂本剛

 12月21日放送『上田と女が吠える夜』年末大デトックス2時間SP(日本テレビ系)にKinKi Kidsの堂本剛が出演する。


(関連:KinKi Kidsメンバー分析 第2回:堂本剛が見せてきた“自分らしい”生き様 苦しみと向き合う表現が持つ説得力


 直近では『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)、さらには7月には『マツコ会議』(日本テレビ系)にもゲスト出演。『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)ではゲストを迎える立場であり、堂本のゲスト出演はどこか新鮮だ。ラジオ番組でもそのトーク術が光るが、テレビ番組では表情がわかるぶん、またメッセージが伝わってくる。


 堂本のトークは相手に寄り添う姿勢、そして傾聴も特徴だ。先日放送のラジオ番組『堂本 剛とFashion & Music Book』(bayfm)で、堂本は医療従事者からのメールを受け、彼らの方がもっと深刻と前置きした上で、多忙なスケジュールをこなしていた若かりし頃のことを語った。「気づいたら床で寝てたりしましたし」と自身は記憶がないとし、自分でも「嘘やろって思いました」と続けると、走りながら、意識を失うように倒れたことなどを振り返り、「身体が疲れてたり、気持ちが疲れてるとそうなる」と極度の疲労状態に陥った体験談を明かした。デビュー前からの人気からもわかるように当時の多忙ぶりは相当なもの。回復させる時間もなかったと続け、年齢、キャリアを重ねると共に休みを取りながら仕事ができるようになったと語った。


 堂本は一時期、体調を崩した経験を持つ。同じように後輩の体調不良だと聞けば寄り添い、相談にのったことが明かされた。前述のラジオ番組でもそんな時に、話を聞いてくれる人たちに救われたと話す。受けたダメージや痛みは自分にしかわからない、そんな実体験が基になっているのか、彼の言葉には独自性がある。


 2014年10月から放送されていた『トーキョーライブ22時』(テレビ東京)。毎週日曜夜21時54分からの夜間帯に生放送していた同番組には、堂本をはじめ、松岡昌宏(TOKIO)、相葉雅紀(嵐)、小山慶一郎(NEWS)、安田章大(関ジャニ∞)が週替わりで登場した。様々な企画があったなかでも、特に「みんなでお悩み解決!トーヒョーライブ」で堂本の対話力、トーク力が光っていた。視聴者の悩みを生電話で聞きながら、その場でなんらかの解決策を見出すというもので、LINEやdボタンを使った視聴者投票を含めてMCの回答と様々な意見がきける説得力があったのも特徴的だ。


 MC陣の中でもひときわ丁寧な回答に定評のあった堂本は“堂本寂聴”というあだ名がついたほど。例えば、上司のカツラにどう対応したらいいか、という悩み相談にもじっくりと耳を傾けていた。地毛とカツラの色が違い過ぎるという現状には「ヒーローものでいうとチャックが見えて、ちょっと気をつかうやつですよね」と相談者の気持ちを汲みつつ、「僕が思うにですよ、そのカツラをつけるということが、恥ずかしいことだと、いけないことだと思っている周りがまず成長することが大事」と口調は穏やかだが、はっきりと伝えた。


 意識を変えることで、視界が変わり自分が成長しなければならない点が見えてくると諭し、「自分たちの心を入れ替えれば、もしかしたら上司にさらっと言えるタイミング、あるいは上司のほうからズラっというタイミング……すみません、口がスルッとすべりました(笑)」とユーモアを交えながら相談にのっていた。


 さりげなくオチを交え、「いい上司だから傷つけたくない」という投稿者の思いを大切にした答えを導きだしていた。この放送回を観ていた安田は、翌週の放送で「先輩、どれだけハードルあげるんですか」とこぼしていた。


 ラジオを筆頭に、様々な人との対話、そしてキャリアを重ねてきたからこそのトーク力。ネガティブな気持ちを受け止めつつも、説教臭くならないのはさすがだ。生放送という緊張感漂うなかで的確な回答はお見事だった。40代に入り、経験や知恵もさらに増えたことだろう。今回の番組はよりバラエティ色が強い内容だが、女性陣を前にどんなエピソードトークが繰り広げられるのか楽しみだ。(柚月裕実)