2022年12月19日 15:41 弁護士ドットコム
弁護士は裁判にどのような服を着て行くのかーー。服装に決まりはないとされているが、「スーツ」のイメージを抱く人は少なくないだろう。弁護士ドットコムは「法廷ファッション」について、会員の弁護士にアンケートを実施した(2022/11/25-2022/12/4)。回答者は112人(男性80人、女性32人、その他0人)。
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裁判に着て行く服装を複数回答で聞いたところ、男女ともに過半数が「スーツ」と回答した。一方、「オフィスカジュアル」との回答も全体の約3割あり、女性だけではなく、約3割の男性が選択していた。「カジュアル」を選択したのは全員男性だった。また、裁判に行く日と行かない日で、服装を変えることが「ある」と回答したのは約6割で、シチュエーションに応じてコーディネートを変えている弁護士が半数以上いることがわかった。
具体的なデータについて、以下で紹介する。
裁判にどのような服を着て行くか複数回答で尋ねたところ、全体の81.5%(男性67人、女性24人)が「スーツ」を選択した。「スーツ」のみを選んだ弁護士は、全体の半数を上回る63人(男性50人、女性13人)だった。
「オフィスカジュアル」(35.2%:男性21人、女性18人)の回答もみられた。「スーツ」以外の選択肢として選んだ弁護士もいる一方、男女ともに「オフィスカジュアル」のみを選んだ弁護士もいた(男性7人、女性8人)。
意外にも「カジュアル」(6.5%:男性7人、女性0人)を選択したのは、全員男性だった。このうち、5人は「カジュアル」のみを選択し、スーツを着ないことがわかった。女性弁護士からは「トラッドなワンピース」を着用するとの回答も寄せられた。
また、基本はスーツだが、夏場は「半袖Yシャツノーネクタイ」「ノージャケット」「半袖のブラウスのみ」など、季節によって服装を変えるという弁護士もいた。一方、「夏でもジャケットはかならず着用する」との記述もみられ、意見が分かれた。
裁判に行く日と行かない日(法律相談のみの場合、警察署で被疑者・被告人と面会する場合、調停のみの場合など)で服装を変えることが「ある」と回答したのは全体の65.7%(男性50人、女性21人)で、男女間の差はほとんどなかった。
自由記述欄には「裁判の時だけはヒールのある靴を履く」(女性)、「一日中事務所にいるときや警察署に行くときはジャケットにチノパン等が多いが、裁判所に行くときはスーツにしている(ネクタイの有無は季節による)」(男性)などのコメントが寄せられた。
自由記述では、裁判に行く日の服装について、こだわりを尋ねた。「こだわらない」「いつもどおり」との回答もあったが、事件によって色味や服装を変えたり、疲れにくさを重視するなどの工夫をしている弁護士もいた。以下、寄せられた「こだわり」の一部を紹介する。
「アウトレットモールなどで買った黒のアウター、しまむらやヨーカドーで売ってる1980円のYシャツ、しまむらやアベイルで買った2000円くらいの細身のスラックス風のグレーのパンツ、ABCマートで安売りしてる真っ黒のアディダスのスニーカー。もちろんノーネクタイ。普段はこんな感じの服装で法廷や弁準に行き、証人尋問の時だけスーツに革靴で行きます。スーツを着ず、ネクタイも着用しないと疲れがだいぶ違います。足の疲れも全然違うので革靴ももう履けません」(男性)
「上下揃いのスーツ。当事者に間違われるような服装は避けるべきだと考えています」(女性)
「疲労をためないために靴はこだわる」(男性)
「事件の性質により、明るい色で元気を出すか、地味な色で控えめにするかを変えている」(女性)
「刑事裁判で被害者が亡くなっている事件等では、赤のような派手目の色のネクタイはしないようにしています。スーツも、チョークストライプのような派手目の柄のものは着用しません」(男性)
「なるべくきちんとした印象になるように気をつける。夏でも最低限ワンピースと軽いジャケットは着用、冬は概ね上下セットアップ(スーツ)か、夏同様にワンピースにジャケット」(女性)
「オシャレだな」「服装が目立っているな」と思う弁護士としては、久保利英明弁護士の名前が複数あがった。久保利弁護士に対しては「配色の妙」「目立ってます」などの声も寄せられた。