友人であっても家庭を持つパート主婦と正社員の独身女性では、価値観のズレや生活時間のすれ違いが起こることは珍しくない。北海道に住む50代後半の女性(サービス・販売・外食/年収200万円)はコロナ禍のはじめ、マスク調達をお願いされたというが、友人の非常識な態度に憤りをあらわにしていた。(文:永本かおり)
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「独身の彼女には大した金額でなくても…私には違います」
それは「二年半前、コロナが流行り始めた頃」のことだった。
「正社員の独身の友人がマスクや消毒液が不足して困っていました。たまたま、私は購入出来る事があり友人から頼まれ、前払いで買う事が出来ました」
友人のためにお金を立て替えて購入してあげた女性だったが、いざ品物を渡そうとしても、「私は家庭とパートをしていますので、なかなか独身の彼女とは都合が合わなかった」と会うタイミングを逸していた。
やがて、友人からこんな連絡があったという。
「(マスク・消毒液が)不要になったと一方的にラインで断って来ました」
「理由は、正社員の彼女の都合に合わせてくれなかった事と、ネットで購入したから、わざわざ会って代金と引き換えて購入するのが面倒だからだそうでした」
そう言われても、“わざわざ”立て替えて購入した女性の立場はどうなるのか。いい加減な友人の態度に女性は、胸中をこう綴った。
「お互いに良い年齢のオバサンです。頼んでおいて代金を主婦の私に払わせてそのままにする彼女の無責任対応にガッカリしました」
「確かに主婦と独身の彼女とは金銭感覚が違うかもしれませんが、頼んでおいて代金も払わずに一方的に断るなんて。独身の彼女には大した金額でなくても、主婦の家庭を持っている私には違います。やはり、生活環境が違うと金銭感覚やお互いの気遣いもすれ違ってしまうと改めて感じました」
苛立ちが募る様子の女性は、
「時々しか会わなかった友人でしたが大切な友人でした。それからはラインも年賀状のやり取りも全くありません。縁が切れました」
と冷めたように綴っていた。