1日12時間以上働いていると、みるみる疲れが溜まってくる。たまに仕事がピンチのときには残業もしかたがないが、それが日常となると、文字通り身を粉にして働く日々という感じだ。
キャリコネニュースのアンケートに答えてくれた東北地方在住の男性(40代後半)は、毎日出社は朝7時10分頃、副業の仕事が終わるのは午前0時30分という、1日あたり13~14時間労働の生活を長期間続けているという。
いったい、なぜ男性はここまでやるのか。あらためて連絡をとり、男性に詳しく話を聞かせてもらった。(取材・文:広中務)
家族のためやれるところまでやるしかない
男性は「このサイクルで生活するようになって20年目くらいです。飲食業の厨房や運転代行などをやってきました。今も飲食店の厨房で働いています」と語る。
男性が副業をしているのは、本業の事務職で家族を養って生活していくだけの稼ぎを得ることができないからだという。男性の職場では、基本的に残業が認められないそうだ。
「残業ができないのは事務職に対しての時間管理が厳しいからです。また、総務部長に嫌われていることもあるかと思っています」
そうした長時間労働の対価として、年収は約550万円を得ている。しかし、その代わり休息はほぼない。
「家にいる時間は食事と風呂と寝るのにつぶれてしまいます。睡眠時間は4時間程度ですね」
毎日4時間睡眠では、とても健康が保てるとは思えないが……。
「昼間たまに目眩がして吐き気を感じることがありました。最近は副業を1日おきにして対応してます」
それでも、そろそろ体力の衰えを感じる40代後半の働き方とは思えない。現在、妻と二人の子供。妻の両親と同居している男性だが当然家族からも心配されているという。
「家族は妻と子供2人と妻の両親で、妻や妻の両親には働き過ぎじゃないかと言われることはありますが、今の収入を維持するには必要なことだと説明しております」
ならば転職はとも考えてしまうが、男性はこれまで踏み切れなかったと話す。
「転職は何度も考えたことがありますが、転職すると収入が減ってしまう事の方が多いので結局踏み切れずに今の職場にしがみついてます」
転職しやすさは、住んでいるエリアの状況や職種によっても大きな幅がある。考え抜いたうえであれば、同じ職場にとどまるのも立派な決断だろう。
しかし、これからも、その生活を続けることができるのだろうか?
「自信はないですけどやれるところまでやるしかないかなと思っています。少なくとも小学校1年生の下の子が独立するまではやらなきゃと思ってます」
小学校1年が成人までと考えると、まだ10年以上ある。くれぐれも無理をしすぎないよう、持ちこたえてもらいたい。