「あたたかい家庭を作ること」が、唯一の望みだったと語る50代の女性。近所でも有名な「70代くらいの気難しい女性」に気に入られ、とうとう相手が隣に家を建て引っ越してくる事態に。
毎日雑談のために呼び出され、たまらず働きに出ることにした女性。「これで解決する」と思っていたが……。(文:okei)
【前編 それは「アンタ誰なの?」から始まった…隣人に家庭を破壊された女性の地獄のような体験談】
「隣の女性がウチの中に向かって何かを叫ぶようになり……」
相手は、女性が仕事の無い日は必ずやってきて雑談しようとするという、ますますやっかいな状況になってしまった。何しろ貴重な休日が隣人につぶされてしまうのだ。
「それにいつからか、ウチの囲いのフェンスには物干し竿が通され、ふとんが干されたりしていました。 それで、思いきって困っていることを伝えようと決心したのです。それらを話し終わり、私も休みには横になる時間ができると信じていました」
やっと直接苦情を伝えたが「でも、そううまくは行かなかった、ということです」と女性は肩を落とす。相手の行動は収まるどころかエスカレートしていったのだ。
「窓を開けて網戸にしていると、隣の女性がウチの中に向かって何かを叫ぶようになり……。その人が、まるで家の中にいるかのようでした。仕事に出る時間帯に呼び鈴を押して、話をしようと立て続けにわめいたり……。早朝に騒音をたてるなど、きりがありません」
「一番びっくりしたのは、泥ダンゴを壁に投げてくるようになったことでしょうか。かなり音もしましたし、交番から警察の方に見ていただいたほどでした。『当人がやったと開き直ってますから、防犯カメラなど証拠を取ったほうがいいでしょうね』とのことでしたが、夫が『悪化するから』と反対しました」
夫と意見が分かれてしまった女性。このあたりから、夫との関係まで怪しくなっていく。
「他に解決策を相談しようと夫に話しても『疲れてるからその話はするな』と、優しかった性格も変わっていきケンカばかり、酒に酔って暴言を吐くまでになり我慢も限界になりました」
「隣人に家庭が壊されたのは言うまでもありません。結局、身体も壊しそこにはいられないと思い、子どもが巣立つ頃に私も子どもと一緒に家を出ました」
と顛末を明かす女性。離婚届の手続きはスムーズに済んだという。振り返って、あらためて思うことをこう綴っていた。
「思えば、私がもっと意見が言える、強く話ができるような性格に、そのような家に育っていたなら、自分の家庭も壊されずに立ち向かえたのかと後悔もあります。年齢を経て精神的にも強く自立した今、仕事に向かいながらあの老いた隣人の女性だけは、許すことができないのです」