2022年12月16日 11:41 弁護士ドットコム
劇作家・演出家の平田オリザさんは12月16日、主宰する劇団「青年団」の公式サイトで、所属する劇作家・演出家の谷賢一さんの退団を公表した。
【関連記事:夫のコレクションを勝手に処分、断捨離の「鬼」となった妻たちの責任】
谷さんは前日の15日、谷さんが主宰する別の劇団の女性からセクハラを告発されていた。この告発を受けて、福島県南相馬市で12月16日から予定されていた劇団の公演はすべて中止となった。
一方、谷さんは、女性の告発について事実無根であると否定している。
告発したのは、大内彩加さん。ネット上で公表した内容によると、大内さんは2018年6月から2021年3月にかけて、谷さんからセクハラを受けていたという。大内さんは谷さんを提訴したことを明らかにしている。
これに対して、谷さんは自身の公式サイトで反論。「彼女の文章は事実無根および悪意のある誇張に満ちており、受け入れられるものではありません。訴状が届いていないため起訴内容については確認できておりませんが、司法の場で争う所存です」として、ハラスメントを否定した。
この告発を受けて、谷さんの劇団が上演を予定していた東京電力福島第1原発事故を題材とした新作劇は公演中止となった。これについても谷さんは「訴状すら見ず、司法の判断も待たずにこの決定を下すことは行きすぎたキャンセルカルチャー、私刑と同じであり承服できません」と批判している。
一連の騒動を受け、平田オリザさんは劇団「青年団」の内規に照らし合わせ、谷さんが退団することを公表した。青年団の公式サイトでは、次のように説明している。
「法律上は推定無罪の原則もありますが、被害に遭われた方の心情をより重く考え、また告発文にはなく訴状には記されている情報も得ていることから、今回の措置を執るに至りました」