isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
敗けてナンボ
今週のおひつじ座は、「いびつな者たち」の一人として自分を見なしていくような星回り。
シャーウッド・アンダーソンの『ワインズバーグ、オハイオ』は、19世紀後半、牧歌的なアメリカの田舎町が産業化の波のなか変わっていく架空世界を舞台に、そこに暮らすどこか変わった人たちを描く短編集。
冒頭に、作者自身と思われるある作家が「いびつな者たち」についての本を書いている描写があり、この町の住人はいずれも奇怪な、いびつな面を持っている人物として描かれてます。しかし、それは誰もが持っている心のひび割れであり、その意味では彼らの“いびつさ”の本質は「恐ろしい醜怪さ」というより「滑稽な愛おしさ」にあるのです。
あなたもまた、ごく普通の暮らしを送りながら不安や孤独、疎外感などに苛まれる住人たちを丁寧に描くアンダーソンのように、自分の負の部分も含めて静かに受け入れていきたいところ。
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きっかけを繋いでいく
今週のおうし座は、剥き出しの自分自身を再発見していくような星回り。
『中年や独語おどろく冬の坂』(西東三鬼)という句のごとし。ここで面白いのは、そうして見つめていると自分でも気付かないうちに、きれぎれの言葉が口から漏れ出ていたというところ。
それは呪詛の言葉ではなかったにせよ、綺麗に包装された希望の言葉でもなく、もっと生々しく、自分でもハッとするような本音であったはず。作者はそこに、改めて中年男としての自分自身を見出したのでしょう。
あなたもまた、カッコ悪くても、意味が整っていなくもいい、それ以上にここに確かに生きていることを露骨に感じさせていてくれるような事象として、自分を捉え直していくことになりそうです。
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うわのそら
今週のふたご座は、骨身に染みながら、妙に心地よい愉楽に身を任せていくような星回り。
「時の奪い去った年々は わたしのものではない。 これから来るだろう年々も わたしのものではない。 瞬間はわたしのものだ。瞬間を深く想うならば、 年と永遠とを創られた御方は わたしのものだ。」
グリューフィウスの『時を眺める』という詩の、最後の行の「年」は単数形。つまり、ここにはただ「時間」という空っぽな器があるだけであり、いくら「わたしのもの」と叫んでみたところで、それを見つめる純然たる節穴としての「わたし」は、さながら骸骨でこしらえた案山子のように、一種張りつめた間を持て余しているに過ぎません。
あなたもまた、必ずしも「しあわせ」ではないけれど、「魂」という定義不明な事態としての<私>に響いてくるような心地よさに身を浸していくべし。
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どれだけアホになれるか
今週のかに座は、自分でも不思議なほどに共感や同情がほとばしっていくような星回り。
『世を恋ふて人を怖るる夜寒哉』(村上鬼城)という句のごとし。作者は聴覚障害を持つろう者でありながら、10人の子どもを司法代書人の職で養っていた苦労人。
「世を恋ふ」ほどの熱情は、むしろ作者にとって自身の滑稽さの証しに他ならなかったはずですが、一方でそれは他の人間の悲惨や小さき者や弱き者たちへの作者の熱烈なシンパシーを後押しする原動力ともなっていたように思います。
あなたもまた、単に世を呪い、人を嘲る代わりに、もっと悲しくなっていこうとするべし。
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これ以外に道はない
今週のしし座は、「知識人ごっこ」の終焉のごとし。
2010年代以降、これまで長く続いてきた「知識人ごっこ」の時代が終焉に向かいつつあるように思います。
「誰が被害者なのか」ということは、何かのはずみで180度くるりと変わってしまうものであり、冷静になって議論するべきだと呼びかけるのが「知識人」の役目なのではないでしょうか。
あなたもまた、一見するともっともらしい言葉に振り回されておかしくなっていないか、今一度自分自身や周囲に呼びかけていきたいところです。
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子どもの目と大人の口を
今週のおとめ座は、丁寧に言葉を紡いで自身の運命を象っていこうとするような星回り。
『冬の馬美貌くまなく睡りをり』(石川雷児)という句のごとし。ここでは透き通ったかなしみのようなものが表現されていますが、これは作者が鉱山勤めが原因で36歳の若さで夭逝していることも関係しているのかも知れません。
つまり、この睡る馬とはどこかで作者自身なのであり、その上で雷を轟かす天のなかに作者は自身の運命を感じ取ったのでは。
あなたもまた、そんな冷たい恩寵に駆られていきやすいタイミングなのだと言えるでしょう。
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補色的な動きをすること
今週のてんびん座は、さりげなく隠れたところでいのちを繋いでいこうとするような星回り。
かつてゲーテは色彩論のなかで「緑は生命の死せる像である」と述べましたが、これと似たことを染織家の志村ふくみが「緑は生と死のあわいに明滅する色である」という言い方で言っていました(『色彩という通路をとおって』)。
宮沢賢治が「春と修羅」の冒頭で言及したように、私たちが生きて在ることも「生と死のあわいの明滅」に他ならず、だとすれば、植物だけでなく私たち人間の本質も緑という色と関係があるはず。
あなたもまた、ともすると動物的な本能に隠れがちな、自分の中の植物的な本質に気付いていきたいところです。
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自分の声を取り戻すために
今週のさそり座は、いかに「声をあげるか」ということに意識的になっていこうとするような星回り。
『かわかわと大きくゆるく寒鴉』(高浜虚子)という句のごとし。
鴉でさえこうして必死に生き永らえようとする時には声をあげるのだ。いわんや人間をや、と。ただ日本社会というのは、いまだにどんなにお上に理不尽な命令を下され、苦しくなっても声をあげず、口をつぐんで我慢することが美徳とされている節があります。
あなたもまた、日頃から自分がどんな風に声を出しているか、改めて振り返ってみるといいでしょう。
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現実的であることと常識的であることの違い
今週のいて座は、ともすると極端な方向に偏りがちな常識を、相対化していこうとするような星回り。
今のフェミニズムは男女の間に戦争を起こそうとする、現実離れしたイデオロギーのようになっている節がありますが、杉浦康平の『養蜂記』というエッセイを読んでいると、生物学的には雌の方が優れているというのがよく分かってきます。
バイオテクノロジーが発達すれば、一番いい精子を残して、あとの男はいらなくなってしまうかも知れません。そうなれば、男性は自分たちの権利を必死になって訴えるようになるでしょう。
あなたもまた、知りうる限りの過去の人間的な常識をひょいと乗り越えていくべし。
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だんだん頭が消えていく
今週のやぎ座は、重く暗いものをサッと受け止めていこうとするような星回り。
『うしろから大寒(おおさむ)小寒(こさむ)夜寒(よさむ)哉』(小林一茶)という句のごとし。
信州では家のそばでも振り返ればそこに山がある。しかも暗い冬山となると、文明の灯り程度ではどうにもできないような重く暗い存在感を放っていて、どうしたって圧倒されてしまう。その圧倒される感覚というのを、掲句は実にさらりと伝えてくれています。
あなたもまた、頭ではなく身体でもって新しい年を迎えていくべく、感覚をそろそろ切り替えていきたいところです。
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業熟ということ
今週のみずがめ座は、縁が熟していくのを待っていこうとするような星回り。
心理療法家の河合隼雄がかつて「ノイローゼになる人というのは選ばれている」ということを言っていました。何らかの身体的な症状が現れてくるのは自分の意識を越えた世界からサインをもらったということであり、大げさに言えば「転生」の機会を与えてもらっているのだと言うのです。
禅の世界でも、入門したいと言ってきた人に対して、門の外に放って置くという話が伝えられていますが、3日も座っていられないような人はまだ「縁が熟してない」と判断されるというのも、同じことなのだと思います。3日たってもまだ座り続けているような人は「業が深い」わけです。
あなたもまた、どこかでそういう業の深さや縁の熟し具合を確かめていくようなところが出てくるでしょう。
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稽古と演技、その賜物
今週のうお座は、徹底して自分が演じていくべき役柄を思い定めていこうとするような星回り。
『毛糸編み来世も夫にかく編まん』(山口波津女)という句のごとし。作者は昭和の俳句界の綺羅星である山口誓子の妻であり、彼女自身も誓子の妻という立場をあえて前面に出すことで自分の作風を築いていった人。
来世もこの夫と契って毛糸のセーターやマフラーを編んであげたいなどと、堂々と言い放つような真似はなかなかできるものではないでしょう。妻という役柄を積極的に演じ切っていったということは、そこにそぐわぬ本音や秘密は墓場まで持っていったということでもあります。
あなたもまた、そんな波津女の爪の皮を煎じていきたいところです。
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