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「テレワーク中のお父さんがウザい!」在宅時間の増加で子どもと気まずくなる父親たち、どうすればいい?

2022年12月09日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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コロナ禍で在宅ワークになったことで、父子の関係性が悪化する、なんてことが起きているようです。お父さんが家にいる時間が長くなり、子どもに対してあれこれ口を出してウザがられる、という現象です。

普段、家庭教師をしていても、生徒たちから

「最近、お父さんが家にいるようになって気まずい」

「勉強について干渉してきてウザい」

「仕事頑張ってるアピールが面倒臭い」

という話をよく聞きます。家庭におけるお子さまとのちょうど良い距離感とはどういったものか、詳しく解説していきます。(文:プロ家庭教師紹介会社代表・学習塾経営者 妻鹿潤)(文:プロ家庭教師・個人指導塾経営者 妻鹿 潤)

「お父さんと顔を合わすのが嫌なので、自室に引きこもっている」

女性の社会進出や男性の育児参加が推奨されてはいるものの、日本ではまだまだ「男性は仕事、女性は家庭」といった性別による役割分業で成り立っている家庭がほとんどです。

子どもの教育を担当するのもお母さんが中心で、PTAや保護者面談に参加するのもお母さんばかり。結果として、子どもとお父さんの接点はあまりなく、いざ在宅ワークで一緒に過ごす時間が増えると「何を話せばいいのかわからない」「気まずい」といったことが起きてしまいます。

私が指導している子どもの中には、「お父さんと顔を合わすのが嫌なので、自室に引きこもっている」という子どももいました。気まずいだけならまだしも、会社で部下に指示を出すような口調で

「勉強しないとダメだよ」

「ゲームばかりするな」

「進路は大丈夫か?」

と言われれば、子どもが心を閉ざしてしまうのも無理はありません。

ある子どもは、「お父さんが得意なゲームを仕事の息抜きに語り出して、マウントを取ろうとするのでウザい」とまで言ってました。

お父さんとしては、子どもと何とかコミュニケーションを取ろうとしているのですが、それが裏目に出てしまっている状態です。子どもには話しかけない方が良いのかな・・・と落ち込んでしまうお父さんもいるかもしれませんが、諦める必要はありません。お子さまと良い関係を築くコツは、「焦らずコツコツと」。急に距離を詰めるのではなく、徐々にお子さまのことを知っていくことから始めましょう。

良好な関係を築くにはどうすれば?

ここでは最後に、お父さんが子どもと仲良くなる3つのヒントをご紹介します。

ヒント(1) お母さんづたいに仲良くなる

子どもの趣味やハマっていることについて、直接子どもに聞くのは避け、まずはお母さんと情報共有をするようにしましょう。趣味やハマっていること以外にも、部活のことや将来の夢、友人関係についても共有しておくと、ふとしたときに会話を交わすきっかけになります。他にも、お母さんに事前にお願いしておいて、お母さんと子どもの会話が盛り上がっている中にうまく入れてもらうのも有効です。

ただ、そもそもお父さんとお母さんの関係性がよくない、というご家庭もあると思います。私も友人の子持ち男性から、よくそのような相談を受けます。

その場合、せっかく家にいる時間が長いのであれば、家事を率先してやりましょう。他にも、お母さんが困ってそうなことをさり気なく助ける、といったことを繰り返せば、見直してくれることは多いです。(もちろん、関係修復が絶望的にまでなっていなければ、ですが……)

ヒント(2) 家族旅行で仲良くなる

日常の中で普段と違う行動をすると、何かの狙いがあると勘繰られるかもしれませんが、非日常的な旅行の中だと自然に距離を詰めることが可能です。場合によっては、子どもと2人で話す方が、違和感がない状況もあるでしょう。

そういった場の力を借りて、さりげない会話を繰り返し、旅行や旅行中に話した話題を通して家族で仲良くなることは有効です。

ヒント(3) 子どもが大切にしているものを、大切にする

子どもがハマっているものをプレゼントするのも有効です。野球好きの子どもなら甲子園やプロ野球観戦のチケットなど、本人が喜ぶものを贈りましょう。

できれば、物のようなプレゼントよりも、映画やコンサート・試合など一緒に楽しめる物だと、その話題を自然に話せます。また、子どもはそっけない態度をとるかもしれませんが、「お父さんが、自分の大切にしているものを大切にしようとしている」姿勢は確実に伝わります。こういったことの積み重ねで、子どもは少しずつ心を開くでしょう。

お父さんも、突然の在宅ワークでご家庭との距離や関係に戸惑われることも多いと思います。少しでも何かのヒントになれば嬉しい次第です。

もし、お母さんから見て、あまりにも子どもと父親の関係が悪化し、学業不振や不登校・ひきこもりにつながっているケースは要注意です。深刻な場合は家庭だけで抱え込まず、担任の先生やスクールカウンセラーに相談するようにしましょう。