isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
底をぬく
今週のおひつじ座は、いきいきとした交感のなかに飛び出していこうとするような星回り。
『くちびるに湯豆腐触れぬ吹きをれば』(榮猿丸)という句のごとし。湯豆腐の白に、息を吹きかける音、唇にふれてくる感触、そして熱。
すなわち、視覚から聴覚→触覚→熱感覚と順に意識の焦点を切り換えていくことで、見慣れた日常から丁寧にステップを踏んで普段目にすることのない非日常へと移り変わっていく“感じ”を追体験していくことができるでしょう。
あなたもまた、普段使っていない引き出しをあけたり、行ったことのない領域へと繰り出して、単調になりがちな日常に彩りを加えてみるべし。
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たおやかに、たおやかに
今週のおうし座は、自分のうちから新たな生のリズムが蠢き出していくような星回り。
生命のうちには、時にきわめて明晰で明確な幾何学的精神がかがやくことがありますが、詩人のポール・ヴァレリーは『海の驚異 貝』のなかでその一例としての貝をとりあげています。
「ある結晶、ある花、ある貝殻は、感覚できるすべてのものがもつあの通例の無秩序から脱却している。それは特殊な対象であり、われわれが無差別にながめる他の一切のものとくらべて、思考にとっては神秘的であるが、目にとってはいっそうわかりやすい。」
あなたもまた、自身を形成した最初の回転を思い出しつつ、そのリズムに改めて身をゆだねてみるといいでしょう。
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記憶の光景ふたたび
今週のふたご座は、時空をこえて今と昔とが交錯していくような星回り。
『縄とびの寒暮いたみし馬車通る』(佐藤鬼房)という句のごとし。
馬車の荷台に見えたのは、身売りの犠牲になった娘たちか、それとも人間に食べられるために相も変わらず殺され続けている獣たちだろうか。いずれにせよ、作者の胸の内にあったのは秘めた「悼み」であったように思います。
あなたもまた、寒気を通して滲み出てくる人間らしい情感に不意につかれていくこともあるかも知れません。
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文脈の“外部”への感受性
今週のかに座は、問いと答えの関係をこじらせていこうとするような星回り。
人間心理についての鋭い洞察で知られるラ・ロシュフーコーは、その怜悧な知性によって数々の偽善や自己欺瞞を暴き出してみせましたが、中にはそうした冷たいトーンとは一線を画する一言を垣間見ることがあります。
「純粋で、ほかの情念がまったく混じらない愛があるとすれば、それは心の底に隠されていて、われわれ自身も知らない愛である。」
彼の読者との関係の作り方には、今週のあなたを啓発するのに十分な愛が確かにあることが分かるはずです。
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例えば猫のまなざしを
今週のしし座は、目に見えない以心伝心のはずみがついていくような星回り。
『冬籠(ふゆごもり)君の寝言を彼は解す』(藤田哲史)という句のごとし。
「君」と「彼」を第三者の視点から眺めている作中の「私」とは、なんとなく具体的な生きた人物というより、高いところから2人を見守ってくれている存在や、まだ生まれていない2人の子どものような気もしてきます。
あなたもまた、思いがけぬ存在や、決して知りえない存在に見守られているのだというつもりで過ごしてみるといいでしょう。
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いかに他人に属すか
今週のおとめ座は、偽の人生をそれはそれとして認めつつも、突き放していこうとするような星回り。
生きるということは、多かれ少なかれ他人に属し、彼らと何かを共有するということに他ならず、一般的にはその共有する度合いが大きければ大きいほど、しあわせであるとされているように思います。
しかし、ペソアはそれを「偽の人生」であり「棺桶のなかで終わる」生に過ぎないと喝破している。死んだあとでも他の人のこころの中に生きることがあるのは、その人が「子どものころ夢みていたもの」や「霧のなかでみつづけているもの」を追っていたからなのだ、と。
あなたもまた、自分が実現しようとしているのが「2つの人生」のうちのどちらかなのかを、改めて明確にしていくことがテーマとなっていくでしょう。
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深くて静かな場所へ
今週のてんびん座は、慌ただしく流れゆく直線時間から一寸だけでも、垂直に脱け出していくような星回り。
『寒夜(さむよ)読むや灯(ともしび)潮(うしお)の如く鳴る』(飯田蛇笏)という句のごとし。
冬の夜、あかりの下で読書していると、灯(ともしび)が音を発して鳴いている。それが、やがて海の「潮(うしお)」のごとく強大な音に聞こえたというのです。もちろん、実際に鳴り響いている物理的な音というより、作者だけに聞こえている、ある種の宇宙的な音声とも言えるものでしょう。
あなたもまた、そんな「鳴饗する魂」のひとつとなるべく、おのれを研ぎ澄まし、周囲から余計な雑音を消していきたいところです。
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うつし世が夢ならば
今週のさそり座は、現実の輪郭が次第にあやふやになっていくような星回り。
光や音が遮られた空間で、一定の温度に保たれた高濃度のエプソムソルトの塩水に浮かぶことで、皮膚感覚や重力の感覚を大きく制限できる“アイソレーション・タンク”。
ジャーナリストの立花隆は、みずからタンクに入った結果、肉体が消失して意識の点になったかのような体験をしたと述べています。タンクのような一定の条件で外的な刺激を遮断していくと、どこまでが現実でどこからが夢なのか、きっちりと自覚できなくなっていくのではないでしょうか。
あなたもまた、これまで強固に保持していた夢と現実の線引きがどこか曖昧になって溶け出していくのを感じることができるかも知れません。
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縁が人をつくる
今週のいて座は、誰かに引き出されたものに後押しされていくような星回り。
『我等パンツならべ干すなり冬銀河』(小川軽舟)という句のごとし。
句自体もそれが作られた過程も、どこか若い。けれど、俳句が座の文学であることを身に沁みこませてくれるのは、上手に整えられすぎた場よりも、案外こうした荒削りで勢いのある場であったりするのではないでしょうか。
あなたもまた、気楽に遊べる仲間との交わりのなかで未来を見出していくことができるはず。
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生命的であるということ
今週のやぎ座は、物理法則を先回り的に捉えて、分解と再構築に励んでいこうとするような星回り。
分子生物学者の福岡伸一は、「生命は絶え間ない分子と原子の流れの中に、危ういバランスとしてある(=動的平衡)」としていますが、この流れを作り出すためには「作る以上に壊すことが必要」で、「それゆえ細胞は一心不乱に物質を分解している」のだと指摘しています。
食べることは不動のAという個体にエネルギーを与えるばかりでなく、むしろAが非Aへと変化しながらAであることを保つことに他ならない。そしてそれは、ともすれば非AになることでAでなくなってしまう可能性をつねに孕んでいるという意味で、思っている以上に非常に危険な行為なのだと言えます。
あなたもまた、うまく未来を捉えつつ、現在において分解と再構築のリズムの流れに乗っていくべし。
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無に親しむ
今週のみずがめ座は、華やかさと哀れさで自身を染め上げていこうとするような星回り。
『死と生を通へる使者の寒鴉(かんがらす)』(三好潤子)という句のごとし。
この「寒鴉」とは幼い頃からつねに病気がちで、片足を死の世界につっこみ続けてきた作者自身の自画像でもあるのでしょう。弱っているいのちを振り絞り、あらゆる情熱を句作へと集中していたからこそ、作者は健康人より優れた創作力を発揮できたのかも知れません。
あなたもまた、自身の身近にある「無色の世界」に改めて焦点を当て、限りある命をいかに燃焼すべきか問うてみるといいでしょう。
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やんわりと〇を描く
今週のうお座は、方舟ないし宇宙船にせっせと乗り込んでいこうとするような星回り。
人類学者の石倉敏明は、これまで「同一性」の枠内で語られてきた物語をハイブリッドなものへと書き換え、「共同体」という概念を刷新するべく「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」という展示を企画しました。
その中核的位置づけにあったのは、美術家の下道基行が沖縄で撮影した「津波石」の映像作品。石倉は「津波石とは異なるものの集合体、あるいは共異体という開かれた全体性のモデルを示すのにうってつけなミクロコスモス」で、「具体的な共生と共存のイメージ」と「まだ生まれていない世界像」とを同時に託すことのできるものなのだとも述べていました。
あなたもまた、そうした雑多なものが自然と額を寄せあえるような場に自身を近づけていくか、みずから接近していくことがテーマとなっていくでしょう。
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