「学生時代、勉強や部活を頑張りすぎたことに後悔しています」と打ち明けるのは、神奈川県に住む40代前半の男性だ。「田舎出身です」と語る男性は、
「あんなに頑張る必要無かった、勉強や部活をする時間があれば眠ったり友達と遊んだりすればよかったと後悔しています」
と悔いの残る若い時期を振り返った。(文:okei)
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ブラック部活で「真面目な学生ほど潰されていきました」
男性の中学時代は「いわゆるブラック部活で1年間に355日練習がありました。練習のしすぎで成長期なのに夏場は体重が減っていました」という過酷なものだった。しかも
「高校は公立の進学校で、国立大学進学を前提に進む授業。課題の量が多く、毎日深夜2時まで勉強して、土日は模試の日々でした。自分の勉強をする時間が無く、真面目な学生ほど潰されていきました」
というから心身ともにギリギリの状態だったことだろう。そんな努力をしたものの、報われた実感を得ることができなかったようだ。
「勉強を頑張った割にセンター試験で失敗して希望の旧帝大には入れず、理系の地方国立大に進学しました。就活ではネームバリューが無いので一生懸命勉強して成績でアピールするしかないと考え、高校時代以上に勉強に励みました。大学院まで猛勉強して、(中略)それはそれは優秀な成績で卒業しました」
進学先でもがむしゃらに勉強にまい進した男性。ところがいざ就職となると、時代が良くなかった。
「しかし就職氷河期で、かつ田舎大学で企業とのつながりが薄かったため、不本意な中小企業にしか就職できませんでした」
と男性は肩を落とす。後悔を次のように綴った。
「こんな結果になるなら中学生から色々なものを犠牲にして勉強や部活を頑張る必要は無かったと本当に後悔しました。貴重な若い時期が苦労だけで終わってしまいました」
私大出身の人と初めて交流、「自分の苦労は何だったのか」
その後男性は「就職で都会に出てきて私大出身の人と初めて交流」し、こんな衝撃を受けたことを明かす。
「有名大学でも私大は受験科目が少なかったり、推薦で入学できたりするので高校時代はそれほど勉強しなくていいし、大学でも勉強以外にも遊びや恋愛など色々な経験をしている人が多く、自分の苦労は何だったのかとショックを受けました」
苦労しただけ実力も備わったはずだが、他者と比べたとき激しい徒労感に襲われてしまったようだ。男性は、
「インターネットが無い時代に田舎に産まれ、公立大、国立大を出ても就職氷河期で本当に苦労したので、今後の人達には自分のような苦労はして欲しくないです。田舎の教育内容、教育方針は前時代的なもので、あまり良くないと感じます」
と自分の過去と地方の状況を憂いている。最後に再び、後悔の念をあらたにしていた。
「今は転職してそこそこの年収を貰っていますが、中学生から30代半ばまでの人生で最も大切な期間を犠牲にしました」
男性は「企画・マーケティング・経営・管理職」で年収は950万円だ。努力が無駄だったということはないだろう。