親の不用意な発言は、良くも悪くも子どもの心に残り続ける。長崎県の40代女性(営業/年収450万円)は、
「絶望というか失望というか、何とも言えない嫌な気持ちのまま眠りについたことを覚えています」
と母親の言葉に苦しんだ当時のエピソードを綴った。(文:草茅葉菜)
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「卒業旅行で沖縄に行きたいが資金が足りない」という弟に…
女性の母親は、昔から三歳年下の弟を何かと可愛がり「それを指摘すると逆ギレ」するという。両親は離婚こそしていなかったもののシングルマザー同然であり、決して裕福とは言えない家庭だった。そのため
「私は地方国立大学へ通っていたころ仕送りなどなく、奨学金とアルバイトで何とか凌ぐ我慢の日々でした。弟へは多くない額のようでしたが仕送りがあり、あまつさえ彼はサークル活動にもいそしんでいたのです。この小さな扱いの差にも不信感が募りました」
と女性は振り返る。生活費や学費を自分でなんとか捻出した女性をよそに、弟は学生生活を楽しんでいたようだ。しかし母親本人は、その扱いの差に「全く無自覚のようです」と女性は憤りをにじませる。
「衝撃的というか忘れられない」という出来事が起こったのは、女性が社会人3年目の頃のこと。弟は大学四年生だった。
「ある夜、弟が自宅へ電話をかけてきました。実家住まいだった私は寝ている時間でしたが、狭い家だったので、声が漏れ聞こえてきました。どうやら『卒業旅行で沖縄に行きたいが資金が足りない、援助して欲しい』というような内容のようでした」
これに対して母親は、迷うことなく
「お姉ちゃんに出してもらったら?お母さんは無理。社会人だから出せるだろう」
と言った。女性は
「同じ子どもなのに何故?私は弟の親ではないのに、私は卒業旅行なんて行けなかったのに」
「その時の絶望というか失望というか、何とも言えない嫌な気持ちのまま眠りについたことを覚えています」
と、やるせない気持ちを綴った。その後、母娘の関係はどうなったのだろうか。